監修記事

夫はなぜ転職を何度も繰り返すの?仕事が続かない旦那と妻が支える方法【専門家監修】

監修者

社会保険労務士法人レクシード 代表

鈴木教大

勤務して1~3年も経たずに夫が何度も転職を繰り返す事に不安を感じませんか?

これだけ一つの仕事が続かないとなると、転職を繰り返す理由がキャリアアップの為ではなく、職場が合わなくて転職している可能性が高いです。

これだけ夫が仕事を転々としていると、「我が家の家計は大丈夫かな?」と不安を抱えてしまう人も少なくありません。

そこで今回は、夫(旦那)が転職を繰り返すので不安な奥様へ、仕事が続かない原因や対処法について紹介します。

本記事で紹介する「転職を繰り返す夫(旦那)」は、他社からヘッドハンティングなどされて年収が上がるキャリアアップができる旦那様ではありません。
※)自己都合退社など仕事を転々としている夫をもつ奥様に向けた記事となります。

目次

転職を何度も繰り返す夫の心理状態や理由について

転職を何度も繰り返す夫の心理状態や理由

では、なぜこれまで夫は転職ばかりを繰り返してしまうのでしょうか?

将来のこともあるし、そろそろ安定した職について欲しい」と感じているあなたは、まずは夫がなぜ転職を繰り返しているのか上部の理由だけでなく、「本当の転職理由」を理解する必要があります

夫が転職を繰り返す理由①:プライドが高過ぎる

夫が転職を繰り返す理由1:プライドが高過ぎる

一つ目の理由として、プライドが高過ぎることです。
男性として自分のやりたいことや仕事に対してプライドを持っているのは決して悪いことではありません。

しかし、変にプライドが高過ぎると仕事が長続きしない原因となります。

仕事先で自分では出来たと思っても、一般的には出来ていないと評価されるような事は非常に多くあります。
結果として、上司から叱咤激励されたり人事評価が自分の想像より低いと俺にはもっと合う仕事がある」「この職場が悪いなど考え、辞めてしまうのです。

「石の上にも三年」という言葉があるように、最初は出来ない・失敗することが当たり前です。
そこを乗り越えることで、初めて出来るようになります。

勤務して数ヶ月から1年程度で転職を繰り返してしまう人は、この成功体験が少ない可能性があります。

夫が転職を繰り返す理由②:熱しやすく冷めやすいタイプ

夫が転職を繰り返す理由2:熱しやすく冷めやすいタイプ

熱し易く冷め易い男性タイプ」の夫はまた、このタイプは好奇心旺盛で、他の事に影響されやすく、新しいことに挑戦したくなるのが特徴です。そのため、短期間で転職を繰り返しやすい傾向にあります。

新しい仕事に就いた時は、やる気・熱意があり「この会社でキャリアップしていく」といき込んでいる人が、数ヶ月後には「思っていた仕事と違う。」「毎日同じルーティンばかりで飽きてきた」と、すぐに冷めて退職してしまうのです。

どんな煌びやかな仕事でも、泥臭い仕事をしなければいけない一面があります。
仕事を完了するためには、やりたくない事や、同じような作業を繰り返す必要があります。

そのため転職癖のある夫は、下積みの段階で「つまらない・仕事で合わない」と転職を繰り返します。

夫が転職を繰り返す理由③:自己分析が出来ていない

夫が転職を繰り返す理由3:自己分析が出来ていない

自己分析が出来ていないと、自分の合う仕事の内容を選ぶことができず、転職を繰り返す傾向が強いです。

  1. 人と接するのが苦手なのに、営業職を選ぶ
  2. じっとデスクワークが苦手なのに、事務職を選ぶ
  3. 体力がない・打たれ弱いのに、体を使う仕事を選ぶ

このように自己分析を出来ていないと、あなたの夫には全く合わない仕事内容と選んでしまい、必要以上にストレスが溜まるだけでなく、結果も思うように出ません。

そして、就職して数ヶ月経って初めて仕事が自分には合っていないと感じ、転職を繰り返します。

夫が転職を繰り返す理由④:職場環境が合わない

夫が転職を繰り返す理由④:職場環境が合わない

旦那様が転職を繰り返す理由で最も多いのが、「職場環境が合わない」でしょう。
転職を繰り返すことで、今より「より良い環境を求めている」かと思います。

職場が合わない理由としてよく言われるのが画像の通りです。

職場が合わない理由について

  • 給与が安い
  • 残業が多い
  • 上司が嫌い
  • 人間関係が悪い
  • いじめられる
  • やりたいことが出来なかった
  • ノルマが大変
  • 思っている仕事と違った

などが理由として挙げられています。

すぐにでも転職をすべき職場とは?

すぐにでも転職をすべき職場とは?

転職自体は、何も全てが悪いことではありません。
これから紹介する以下のような職場にて大変な思いをして勤めている旦那様は転職も検討しても良いでしょう。

その1:有給休暇を使わないことで暗黙の了解

有給休暇という制度自体は会社にはあります。
しかし、会社の雰囲気や暗黙の了解で使いづらい・使えないような会社は転職すべき職場の一つです。
有給は労働者の当然の権利です。

このように、職場の雰囲気により「有給をなかなか使えない」「有給を取りたいと言える雰囲気ではない」など悩む人は少なくありません。

もし、あなたが「有給を取りたい」と言っているにもかかわらず取得ができない状態であれば、転職をすることを考えた方が良いでしょう。

その2:長時間労働

「1日のほとんどが仕事をして終わり」急いで家に帰り、数時間だけですぐに仕事へ出勤する。
このように、拘束時間が長く残業が多くて、体調を崩してしまうことが危惧されるような場合は、転職を検討すべき職場の一つです。

もちろん。
やりがいがあり、仕事が楽しいから続けることが出来ている人も少なくありませんが、拘束時間が長ければ長いほど体を壊しやすいともされていますので、ご自身の健康状態を考えて判断しましょう。

その3:パワハラがひどい職場

労働基準法が改正されたこともあり、比較的減りましたが、職場のパワハラがひどい職場も転職をすべき職場となります。

夫が転職すべき職場その3:パワハラがひどい職場の実例

このような項目に該当する職場であなたの旦那様が働いている場合、毎日苦痛と戦いながら勤務をしています。

その場合は、夫としっかりと話し合った上で、労働基準監督署などに相談するのも一つの手です。

転職を繰り返す夫に妻が確認すべきこと

転職を繰り返す夫に妻が確認すべきこと

転職を繰り返す夫をもつあなたが将来の家族での生活を考えたときに、夫に確認すべきことがあります。
これから紹介する6つのポイントが家庭に影響がないか話し合うことをお勧めします。

その1:転職活動中の給与について

仕事を辞めた場合は、失業保険がもらえます。
しかし、会社の都合で辞める場合と自己都合で辞める場合は、受給開始日や受給額が異なるため、要注意です。

会社を辞めた時の補償制度

会社都合とは、「強制的に解雇されたり、倒産した」など会社の都合が原因で退職となった場合です。
自己都合とは、自分が希望して辞めるケースになります。

自分が希望して辞めた場合7日間の待期期間と、2か月の給付制限期間があります。

収入がゼロの期間が2か月になると、妻は不安となるでしょう。
また、失業保険がそもそも適応になるかも確認する必要があります。

失業保険は、「離職した日以前、2年間に被保険者期間が通算して1年間必要となります。
雇用保険に加盟していた期間が該当するかも合わせて確認する必要があります。
そのため、転職をする場合は、次のことを確認した上で進めていくことをお勧めいたします。

転職をする場合に事前に確認すべきこと

  1. 就職先を決めてから退職すべきか、どうか
  2. 失業保険が支給されるまでの生活費
  3. 夫の就業期間(雇用保険加入期間)について

失業保険支給期間について

雇用保険の受給期間は、原則として、離職した日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)ですが、その間に病気、けが、妊娠、出産、育児等の理由により引き続き30日以上働くことができなくなったときは、その働くことのできなくなった日数だけ、受給期間を延長することができます。

ハローワーク|基本手当について

その2:転職先の給与について

転職は夫だけの問題ではなく、結婚している場合は家族の問題となります。

特にあなたの旦那様が転職を繰り返す場合は、給料が下がってしまうケースが多いとされています。特に、特殊な資格やスキルがないと、転職先の会社としても教育を1から行う必要があるため、年収アップは難しいと言われています。

子供がいる場合は、大学資金が心配になりますし、マイホームを計画している場合は、ローンが払えるかどうかなど生活に直結する課題となります。

もし、あなたが専業主婦なら「私も働く必要があるかどうか?」など家庭の月々の出費と計算して家庭が成り立つか確認する必要があります。

その3:転職先の雇用形態について

新しい就職先の雇用形態も確認することは非常に大切です。
正社員雇用として勤務することが可能か、または非正規雇用として働くのかなども求人情報や面接時において確認しておきましょう。

また、事前に雇用契約書の内容を確認するなど、労使双方の考えに相違がないかをチェックすることも大切です。
勤務先によっては、初めから正社員雇用をせず、1ヶ月~6ヶ月ほど有期雇用として雇用して、就業状況を確認する企業も存在します。

入社当初が有期契約による非正規雇用なのか、正社員雇用なのかをチェックし、試用期間や試用期間後の給与が変わるのかまで確認すると良いでしょう。

転職を繰り返す夫の場合、雇用形態をしっかりと確認せず、入社してから「想像と違う」と後悔をして転職を繰り返す人も少なくありません。しっかりとあなたも旦那さんの転職先の雇用形態まで確認することをお勧めいたします。

その4:転職先の勤務時間

転職した夫の会社が「残業が多い・夜勤が多い」などが後になってから分かり、転職を後悔をしてしまう方もいます。
そのような職場の場合、幼い子供がいる女性は、夫のサポートがあまり期待できなくなってしまう恐れがあります。

入社をする前に、転職先の勤務時間が家庭の生活リズムに合っているか夫と一緒に話し合いましょう。

勤務前に、夫がどんな働き方になるかを知っておくことで、心置きなく夫の仕事を応援することも出来ますし、仮に残業や夜勤が多くても心構えができます。

その5:転職先が本当に夫がやりたい仕事か確認

転職を繰り返すということは、「仕事が合わない・職場環境が合わない」などの理由で転職している場合がほとんどです。

妻としては、夫には1つの会社で長く働いて欲しいもの。転職を繰り返す前に、一度夫婦で「夫が本当にやりたい仕事は何か?」を話し合う機会を設けましょう。

夫と妻でそれぞれが譲れないものがあるはずです。

しっかりと話し合い、我が家で大切なものを明確にしてより良い転職先を一緒に探していくことをお勧めします。

  1. 夫が職場に求めているもの
    →働く環境、給与、仕事内容、通勤時間、将来性
  2. 妻が夫に求めるもの
    →給与、夫が楽しく仕事ができる環境、継続ができる職場、労働時間

その6:夫の精神的ストレスのフォローアップ

「働く場所を変える」ということは、夫には職場で精神的・肉体的負担がかかり、耐えきれなくなって転職を検討しています。

まずは夫に「お疲れ様」など労わりの言葉をかけてあげることも大切です。

家族を支える夫としては

  • 「こんな転職ばかりで大丈夫かな…。」
  • 「妻に迷惑ばかりかかけてるな…。」
  • 「社会に合わないのかな…。」

など仕事が長続きしない自分を責めている可能性があります。

夫が苦しい時に妻がサポートしてあげることで、焦って新しい転職先を探して失敗を繰り返すことの防止にも繋がりますよ。

転職癖がある夫に対して妻ができること

転職癖がある夫に対して妻ができること

転職を繰り返す夫に対して、妻はどのように接すればいいでしょうか?
ここでは、上手な対処法について紹介します。

その1:まずは話を聞く

夫の転職にあなたが納得できなくても、まずはなぜ転職をするのか話を冷静に聞きましょう。

「そんな理由はわがままじゃないの?」
「子供のことどう考えているの?」

と、責めたり否定したくなるのは山々ですが、グッとこらえて話を聞きましょう。
男性はプライドの高い生き物ですので、責めたり否定は控えめして、あまり刺激しないように話を聞いてあげましょう。何よりこれから将来のことを、二人で考えるようにすることが一番大切です。

その2:常に味方になる

転職がうまくいかないと、妻と「話をしたくない」という夫がいます。

この状況というのは、夫が妻に対して「怖い・怒られる」と思っている可能性があります。
妻として大切なのは、普段通りの生活をすること。そして、妻にいつでも味方でいてほしいと思っています。

いつでもあなたが夫の味方であることを言葉に出して伝えましょう。
そうすることで、夫も心の内から相談することが出来、次の就職先もより良い会社を選ぶことにつながりますよ。

その3:共働きとなる

夫が転職を繰り返すと、収入は不安定になります。
失業保険が切れて無収入になるのは、つらいですよね。
もしも妻が専業主婦の場合は、仕事を探しましょう。

すぐに正社員が無理なら、派遣社社員からスタートしてもいいです。
お子さんが小さい場合は、保育園の申し込みも必要です。

妻に収入があると、将来の安心感がより高めることが出来ますよ。

その4:家計の見直し

夫が転職を繰り返すことで、今の生活が苦しくなるようであれば、あらためて家計の見直しを行いましょう。
我が家でかかっている「固定費(家賃)・食費・光熱費・通信費・公共料金」など合計いくら毎月かかっているか確認しましょう。

そうすることで、削ることができる支出を見える化することが出来、どう対応すれば良いか判断することが出来ます。

今の家賃が家計の収入に見合わないようであれば、より安い家賃の物件へ引っ越すことも考える必要があります。

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夫が仕事を長続きするための会社選びとは

夫が仕事を長続きするための会社選びとは

仕事を継続するためには、会社選びも大切になります。特に転職を繰り返しているようであれば、奥様と一緒に探してみるのも一つの手ですよ。

その1:自分の楽しいことや趣味に関する仕事

自分が楽しかったり趣味に関することは、長時間の仕事でも苦になりません。
仕事の内容に興味があれば、継続できる可能性が高いです。

たとえば、釣りが好きな夫なら釣具屋さんで働くと楽しいでしょう。
ゴルフが好きな夫なら、ゴルフ用品を取り扱っている会社が向いています。

またあなたの夫が将来どんなキャリアを得て、仕事をしていきたいかを今のうちに確認することも大切です。例えば、IT系のエンジニアになりたいのであれば、エンジニアとしてスキルが身に付く会社に入社する必要があります。

妻と一緒にどんな仕事をしていきたいか話し合っていきましょう。

その2:残業・ノルマが少ない会社を選ぶ

仕事はあくまでお金を稼ぐためだけの場所」と割り切った考え方をしている夫の場合は、日々の仕事の負担が少ない仕事を選ぶことで継続的に働くことが出来ます。

プライベートとバランスを取りやすい職場

  • 残業が少ない・ほとんどない
  • 定時で帰れる
  • 有給をとりやすい
  • 座って仕事ができる
  • ノルマがない
  • 勤務時間が決まっている
  • 転勤がない
  • 単純作業が多い

その3:自分に合う仕事を第三者に相談する

転職を繰り返すということは、自分自身で「どんな仕事が合っているか」見極めることが困難になっている恐れがあります。そのような時は、匿名で第三者に相談してみるのも一つの手です。

自分達だけで解決しようとせず、SNSや掲示板などを活用して様々な意見を聞いてみましょう。

以下の画像で紹介している掲示板は、誰にも言えないような夫婦のモヤモヤや悩みを相談することに特化した掲示板となります。ぜひご活用くださいませ。

まとめ

今回は夫が転職を繰り返すので不安なあなたに向けて、夫が転職を繰り返す心理状態や、具体的に夫婦としてどうやって乗り越えれば良いかポイントをご紹介しました。

すでに結婚している場合、夫の仕事は家族の問題となります。夫婦が円満で暮らすことができる要素の一つとなりますので、二人でよく相談した上で再就職先を決めていくことをお勧めいたします。

この記事の監修

栃木県社会保険労務士会に所属する特定社会保険労士。企業を発展することに力を入れ、採用に強い社労士事務所のレクシード代表

特定社会保険労務士

医療労務コンサルタント

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この記事を書いた人

PaMarryの編集部です。
編集部のメンバーは全員既婚者であり、かつ子供がいる家庭となります。
夫婦関係・育児・子育てにまつわる「あるある」「なるほど!」な記事を書いています。
ぜひ、夫婦問題の解決、子育て・育児のヒントにご活用ください。

『編集部管理者』
馬鳥 亮佑
ファザーリンクジャパン所属
https://fathering.jp/papafiles/common/20211206_batori.html
クーミル株式会社 代表取締役
https://coomil.co.jp/

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