以前までは、二人とも出社して仕事をすることが当たり前でした。
しかし、仕事の働き方が劇的に変わり、在宅勤務など家で仕事をする割合が急増しています。
夫が朝から家族のために職場へ行き、夜に帰宅する
この、暗黙のルーティーンがあるからこそ夫婦の距離感を保つ事が出来ていた家庭も多いかと思います。
しかし、今は夫婦ともに自宅でパソコン仕事が当たり前の光景です。
- お昼ご飯は誰が作れば良いんだろう…?(私も仕事をしているし。)
- 家の家事は誰がすれば良いんだろう…?
- 仕事中、一緒の部屋ですべき?それとも別々に?
- 物音をあまり立てないようにしないと
- オンライン会議がうるさくて集中できない
このように、リモートワークで夫婦ともに家にいることで、家事や育児の分担をどうするか?が悩ましいところです。
この分担が上手くできれば、より夫婦の仲は良好になりますが、不公平な状態が続くと夫婦の仲に亀裂が入る恐れがあります。
本記事では、夫婦ともに、在宅勤務でも良好な夫婦関係を築く家庭の特徴について解説します。
夫も妻も在宅勤務を行っている割合は30%程度
2022年9月12日に産業労働局の調査「テレワーク実施率調査結果」を参考にすると、コロナ禍をきっかけとして、年々民間企業のテレワークの実施率は非常に高い値となっています。
都内企業のテレワーク実施率は以下の通りとなっています。
会社規模 | リモートワーク実施率 |
---|---|
従業員数 300名以上 | 72.6% |
従業員数 100~299名 | 62.5% |
従業員数 30~99名 | 53.0% |
全体 | 58.6% |
この結果を見ると、大手企業に至っては、リモートワークを実施している企業は7割以上となっています。
夫婦ともに在宅ワークの割合は、30%程度
結婚している男女100名を対象にリモートワークである割合をアンケート調査(2023年)を実施しました。
夫だけリモートワーク | 12% |
妻だけリモートワーク | 15% |
夫婦ともにリモートワーク | 30% |
夫婦ともに出勤 | 43% |
その結果、夫婦ともにリモートワークをする日があると回答した夫婦は、30%という結果となっております。
“リモートワーク離婚”が増加している
在宅勤務で夫婦が一緒に家にいる時間が増えたことで、悲しいことにリモートワークによる離婚を検討する夫婦も増えています。
特に、リモートワークが始まることで離婚を検討する夫婦は、旦那が出社することが当たり前であった世代である30代後半から40代の夫婦の割合が最も多くなっています。
旦那のリモートワークなどをきっかけに離婚を考えるようになった方の体験談では、次のような理由が多く挙げられています。
リモートワークがきっかけで離婚になる理由
- 夫が育児、子育てに積極的に参加しない
- 家事を全く手伝ってくれない
- 旦那が何かと無駄遣いをしている
- 口うるさくて生活するのにストレスを感じる
テレワークでも良好な夫婦関係を築くための秘訣
リモートワーク離婚が増えている一方、二人ともテレワークになると夫婦の時間が増えることも事実。
むしろ、「夫婦仲が良くなった」という家庭も多いとされています。
このように、テレワークでも良好な夫婦関係を築くためにこれから紹介することをぜひ意識してみてください。
リモートワークでも円満の秘訣①:
仕事部屋を同室か?別室か?考えよう
テレワーク夫婦が最も初めに話し合ってほしいことは、「仕事部屋を別室にするか?同室するか?」です。
それぞれのメリット・デメリットを理解しておくことで、お互いがストレスなくお仕事をすることが出来ます。
別室で仕事をするメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
物音など気にせず、マイペースで仕事ができる オンライン会議がしやすい 勤務時間が異なる場合でも仕事に集中しやすい | 人の目がないため、サボりやすい 部屋の構造上、出来ない場合がある パートナーと一緒にご飯を食べるなどしづらい |
別室で仕事をする最大のメリットは、相手の仕事を邪魔せずに済むことです。
仕事内容や、職場によっても忙しい時間や、勤務時間が異なります。
どちらか一方の仕事が早く仕事が終わった時に、リビングで好きなテレビを見たり、趣味の時間を確保することが出来ます。
同室で仕事をするメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
人の目があるため、緊張感がありサボりにくい テーブル一つで仕事ができる ふとした時に一緒に息抜きができる | 集中できない 相手の動作や生活音が気になる 気を遣う |
同室で仕事をするメリットは、ふとした時に夫婦の会話をして息抜きができることです。
別室にいると、相手に悪いなと思って話すことが出来ないことでも、同室で仕事をしていると会話をすることが出来ます。
また、相手の仕事をしている様子を見ることができるため、「妻が集中して仕事をしているから、俺も仕事を頑張らないと!!」など自然に頑張れる環境を作ることが出来ます。
しかし、同室で夫婦がテレワークをすることで、相手の生活音や仕事音が気になるのも事実です。
同室で仕事をする場合は、この辺りの配慮まで考えて夫婦で仕事をすることをお勧めします。
リモートワークでも円満の秘訣②:
お昼ご飯の時間を一緒に取るように心がける
夫婦の良好な関係を作り出すには、何よりも夫婦の会話時間を増やすことが大切です。
せっかく、夫婦が同じ環境で仕事をしているのであれば、お昼ご飯の時間を合わせて一緒にご飯を食べるようにしましょう。
その時は、「ON/OFF」の切り替えをしっかりと行い、夫婦の時間を楽しむことを意識してください。
仕事のメリハリにもなりますし、何よりストレス発散にも繋がりますよね。
リモートワークでも円満の秘訣③:
家事や育児の役割分担を決める
もしかしたらこれまでは、夫よりも妻の方が家事や育児の負担が大きかったかもしれません。
しかし、夫婦ともに在宅勤務となると、相手の状態がより見えてしまうため、今まで以上に不公平感を感じやすくなります。
これまでと異なり、二人とも通勤時間がなくなるため、家事や育児に時間を割くことができるはずです。
この時間を使って、「夫は部屋やお風呂の掃除を行い、妻は洗濯や料理を行う」など家事の分担をしっかりと行い有効活用をすることが大切です。
この役割分担は、早い段階で決めることも大切です。
夫が楽をするのが当たり前の状態になってしまうと、その状況を変えるために話し合いをしっかりと行う必要があります。
お互いが同じ状況であることを夫婦で理解して、家事や育児の役割分担をして不公平感がないように努めましょう。
夫婦共働きだと役割分担の一例
- 7時
夫側:寝室の片付け・子供を起こしてリビングまで連れて行く
妻側:朝ご飯の準備 - 7時30分
夫側:子供にご飯を食べさせる。途中で妻と交代
妻側:先にご飯を食べてしまう。その後、夫と交代 - 8時
夫側:子供を送迎する、帰宅時にメールチェック
妻側:二人が仕事をしやすいように準備をする - 8時30分
仕事開始
こちらは我が家で行っている朝の役割分担です。
初めのうちに役割分担を行っているため、不満が生まれることもなく良い関係を維持できています。
夫婦ともに在宅勤務で自宅にいるメリット・デメリット
在宅勤務が始まることで、夫婦関係が悪化してしまう夫婦がいる一方、むしろ夫婦仲が良くなった!!と感じる家庭も少なくありません。では、在宅勤務で夫が家にいることでどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット:2人分の通勤時間を家事や育児に使える
夫婦が共にリモートワークになることの最大のメリットは、通勤時間がなくなることです。
東京では、電車で片道1時間以上かけて、通勤している方も少なくありません。
この往復2時間分の時間が、リモートワークになることで削減することが出来ます。
夫婦ともにリモートワークになるということは、「2人分の通勤時間」を家のやることに充てることが出来ます。
2時間までとは言わず、平日の1時間でも旦那が家事や育児に協力してくれるだけで、妻の負担はグッと軽減されますよね。
勤務時間はきっちり仕事をし、それ以外の時間は家族の時間を大切にする。
こんな夫婦関係であれば、家事や育児がいつも以上に早く終わるため、「このままリモートワークが続いてほしい!!」と妻が懇願するでしょう。
メリット:夫婦の会話時間が増える
平日はお互いに仕事で、夫婦の会話時間をあまり取ることが出来ず寂しい思いをしていた家庭もあるでしょう。
しかし、夫婦ともにリモートワークになることで、平日でも二人でいる時間をグッと増やすことが出来ます。
そのため、今まで以上に夫婦の会話時間を確保することができ、些細なことや二人のことなど話す時間を確保することが出来ます。
夫婦の会話時間と円満度合いには相関関係があるとされているため、リモートワークを活用してより良好な夫婦関係になったと感じる人も少なくありません。
メリット:子供の送り迎えや熱を出してしまった時に対応しやすい
お子様がいる家庭では、子供が体調を崩してしまい急遽休まなければいけない時もありますよね。
これまで会社に夫婦ともに出勤していた時は、どちらか一方が有給を使って休まなければいけませんでした。
ただ夫婦ともにリモートワークであれば、仕事のちょっとした合間などを活用して、子供の看病ができることがあります。
夫婦で協力することで、子供のために大切な有給などを使わずに過ごすことができる時もあるでしょう。
何より子供が学校や幼稚園など終わった後に、「おかえり!」と子供を夫婦二人で自宅で迎えてあげることができるのも大きな魅力の一つですよね。
デメリット:オンオフの切り替えが難しい
リモートワークとなると職場が自宅となるため、仕事とプライベートのオンオフの切り替えがうまく出来ないという声もよく聞きます。
出勤するのであれば、職場から離れることで強制的に仕事をしない環境を作ることが出来ます。
しかし、良くも悪くも職場が自宅になることで、いつでも仕事ができるようになってしまいますよね。
結果として、
- 就業時間を過ぎても仕事を続けてしまう
- 仕事中に誘惑に負けてNetflixやYouTuneなどを見ながら仕事をしてしまう…。
などメリハリのない生活になってしまいます。
在宅勤務に疲れた時に、夫婦二人で昼休みにできるリフレッシュ方法
これまで夫婦ともにリモートワークで良好な関係を築くためにできることをお伝えしてきましたが、どんな仕事でもストレスは溜まりますし、イライラすることはありますよね。
そんな時に、夫婦二人で昼休みなどにできるリフレッシュ方法をご紹介します。
リフレッシュ方法①:週1回程度ランチ外食をする
これまでは、出社する夫にお弁当を作ったりお昼代としてお小遣いを支給していましたかと思います。
夫の勤務体系が在宅勤務へ変わったことで、自宅でお昼を食べるようになり、お昼の食費が削減できたメリットがあります。
この浮いたお金を使って、夫のお昼休みに「二人でランチ休憩」を挟んでみてはいかがでしょうか?
外食をすることで、夫は仕事の気分転換にもなりますし、妻は自分で献立を考えずに済みます。
夫のお昼代が1日500円だったとすると、5日で2,500円となります。
夫婦二人で週1回予算を2,500円程度で外食をすれば、家計を圧迫することなく気分転換可能です。
ランチタイムであれば1000円程度のリーズナブルな金額で美味しいご飯が食べられますよ。
リフレッシュ方法:たまにはカフェで一緒に仕事をする
リモートワークでずっと自宅で仕事をするとたまにはリフレッシュしたい!となりますよね。
それであれば、近くのカフェなどいつもとは違った環境で仕事をして見てはいかがでしょうか?
いつもとは違った環境・美味しいコーヒーや食事をとりつつお仕事をすることで、リフレッシュしながら仕事にも集中することができます。
仮に、カフェに週1回、二人で行ったとしても、普段使うランチ代を考えると通勤時よりお金を抑えることもできます。
旦那がリモートワークになり、楽しい!!と感じる夫婦の声
夫が普段仕事を頑張っている姿を子供に見せる事ができて、子供の夫への尊敬の念が強くなったと感じています。仕事終わりに「パパお疲れ様」と声をかける姿にほっこりしています。
また、子供が何かあった時にすぐに夫を頼れるので、在宅勤務になって良いことづくめです。
(30代 女性)
夫婦で同じ空間にいる機会が増えた分、夫と将来のことについて「どう子供を育てたいか、どんな暮らしをしていきたいか」などこれまで話す事ができなかった深い部分まで会話ができるようになりました。
あまり外出ができなくなった事もあり、二人の時間を大切にするようになりました。
(20代女性)
夫の在宅ワーク中に、一緒にカフェに行って朝ごはんを食べることにハマっています。
美味しいパンケーキとカフェラテを飲みながら夫と二人で仕事をしている感じが好きです。共働きで夜しか夫婦の時間を作れなかった分、今はたくさん取れるので幸せです。
(20代女性)
旦那が在宅勤務になってから夫婦の予定を共有する事でうまく付き合っています。
私が週末に美容院に行くときは、夫は夫で別の予定を入れる。お互いの予定があった時は、一緒に出かける計画をしています。仕事が終わる時間も分かるため、一緒に温かいご飯が食べることもできています。
(40代女性)
まとめ
本記事では、夫婦ともに在宅勤務…育児や家事はどうする?テレワークでも良好な夫婦関係を築く秘訣をご紹介しました。
急に旦那のリモートワークが始まりストレスを強く抱えてしまう主婦の方も多いかと思いますが、アイデア一つで夫婦の距離感を保ちつつ楽しく生活する事が可能です。
ぜひ、ご家庭の夫婦の過ごし方を見つめ直してストレスなく生活できるように工夫してみてはいかがでしょうか?
またご家庭の問題がなかなか解決しない場合は、夫婦のお悩み掲示板をご用意していますのでぜひご活用くださいませ。