一見、仲の良い夫婦でも、実は家に帰ると夫婦の会話が一切ない…などといった「仮面夫婦」は多いようです。
世の中には、一組として同じ夫婦はいません。
仮面夫婦とひと言でいっても、夫婦の在り方によってさまざまです。
お互いに仮面夫婦の状態に納得しているケースもあれば、どちらか一方が我慢しているというケースもあるでしょう。
自分たちの夫婦関係が、仮面夫婦に当てはまるのか分からないという方も少なくありません。
また、仮面夫婦の状態を続けることで待ち受けている「行く末」が気になるという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、仮面夫婦のあるあると仮面夫婦になるきっかけについてご紹介します。
また、仮面夫婦を続けていくことで考えられる行く末についてもお話します。
仮面夫婦の状態に不安を感じている方は、ぜひご一読ください。
そもそも仮面夫婦とは?
仮面夫婦といっても、実は明確な定義はありません。
家の中では一切会話がなく、食事や洗濯、掃除などパートナーの身の回りの世話だけはしているという夫婦もいれば、夫婦の生活圏をきっちり分けて「家庭内別居」をしているケースもあります。
世の中の夫婦が一組として同じ夫婦がいないことを考えると、仮面夫婦といってもさまざまなケースがあると言えそうですね。
はたから見ると仲が良いのに、実際は冷え切った夫婦関係であるケースを「仮面夫婦」と呼ぶことが一般的です。
仮面夫婦の中には、家から一歩出ると、なぜこんなにも上手く仲良し夫婦を演じられるのか自分たちですら分からない…という夫婦もいるようです。
普段のお付き合い程度では、なかなか仮面夫婦かは見破れないかもしれませんね。
【6つの特徴】仮面夫婦のあるあるとは?
仮面夫婦にはさまざまなケースがあるとはいえ、仮面夫婦には「あるある」ともいえる特徴があります。
ここでは、仮面夫婦になりやすい夫婦のあるあるな特徴をご紹介します。「あてはまるかも…」という夫婦は、もしかしたら仮面夫婦かもしれませんよ!
仮面夫婦のあるある①:人前では仲の良い夫婦を演じる
「仮面夫婦=仮面を被った夫婦」という名前の通り、人前では夫婦の仮面を被り仲の良い夫婦を装うのが特徴です。
実際は冷え切った夫婦関係であっても、友人や知人、親戚など人前では、笑顔で会話し普通の夫婦を演じます。
人前で仲のよい夫婦を抵抗なく演じられるのは、典型的な仮面夫婦と言えるでしょう。
夫婦がお互いに世間体を気にしている証拠とも言えます。
仲の良い夫婦の体裁を保つために、子どもの運動会や保護者会などに欠かさず夫婦揃って出席している…
なんてケースも少なくありません。
仮面夫婦のあるある②:互いに干渉せず割り切った夫婦関係である
パートナーのことに興味が持てない状態も仮面夫婦の特徴です。
パートナーの行動や気持ちに興味はないけれど、特に嫌いでもない…
といった状態は、離婚するほどではないため、仮面夫婦へと陥りやすいです。
夫は仕事をして家庭にお金を入れ、妻は家事と育児だけすればいいなどと、家庭内の役割をこなしてさえいれば興味はないといった夫婦もいます。
お互いに干渉せず、割り切った夫婦関係を演じられるのも仮面夫婦の特徴と言えるでしょう。
夫婦が互いに関心がないと、パートナーが外出した際も、誰とどこに行って何をして何時に帰ってくるのか一切気になりません。
たとえ、パートナーが浮気をしたとしても、怒りは感じるものの嫉妬心は芽生えない…なんてこともあるようです。
パートナーが何に興味を持ち、どのような交友関係なのか気にならない状態なら、仮面夫婦である可能性は高いでしょう。
仮面夫婦のあるある③:夫婦の会話がない
同じ屋根の下で暮らしている夫婦なら、まったく会話しないで生活するのは難しいですよね。仮面夫婦の中には、必要最低限な連絡事項のみ事務的にやり取りするというケースも少なくありません。
たとえば、「今日の夕食はいりません」「週末は出張です」など最低限の連絡だけは伝えます。なかには会話すらせずに、スケジュールをカレンダーに書き込んだり、メールやLINEのメッセージで済ませたりするケースもあるようです。
子どもがいる場合は、子どもの前では仲良く会話する姿を見せ、2人きりでは一切会話しないという夫婦もいます。
仮面夫婦のあるある4:趣味や仕事に熱心
仕事が忙しい人や熱中できる趣味を持っている人も仮面夫婦になりやすいと言えるでしょう。
早朝から深夜まで仕事をしていてほとんど家にいなかったり、家にいるときでも仕事をしていたりなどといった人は、夫婦の会話も少なく仮面夫婦になりやすいです。
また、熱中できる趣味を持つ人は、休日や平日の帰宅後も趣味に没頭するため、外出したり自室にこもったりしがちです。夫婦で顔を合わせることが少ないため、仮面夫婦に陥りやすいでしょう。
仮面夫婦のあるある⑤:性欲を感じなくなる
夫婦ともに身体上の問題もなく、性欲があるにもかかわらず、セックスレスになっているのは仮面夫婦と言えるかもしれません。
もちろん、加齢とともに自然にセックスの回数が減ることもあるでしょう。
仕事や家事で疲れていてセックスする元気がないときもあります。
しかし、夫婦でのセックスに抵抗を感じるといった場合は、仮面夫婦につながる可能性が高いと言えます。
性欲が衰えたわけでもないのに、夫婦の夜の営みがない状態では、家庭の外で性欲を満たすようになることも考えられます。
セックスレスから浮気へと発展するケースがあることも頭の隅に入れておきましょう。
仮面夫婦のあるあるその⑥:世間体を気にしている
パートナーへの愛情がないのに離婚せずに仮面夫婦を続けるのは、世間体を気にしている場合がほとんどです。
離婚してバツをつけたくないといった世間体を気にして、仮面夫婦でもいいから既婚者でいたいという方は少なくありません。
世間体を気にする気持ちは、特別なことではありません。
「3組に1組が離婚している」と言われる現代社会であっても、やはりバツが付くことに抵抗を感じる方は多いのが現実です。
さまざまな理由から、夫婦であることにこだわる気持ちも分かります。
しかし、仮面夫婦でいることに精神的な苦痛を感じていながらも、一歩踏み出せないでいる夫婦も多いかもしれませんね。
仮面夫婦になるきっかけとは
どんなカップルも、仮面夫婦になりたくて結婚する人はいないでしょう。
恋愛結婚であってもお見合い結婚であっても、仮面夫婦になるにはきっかけは必ずあります。
ここでは、仮面夫婦になるきっかけのあるあるをご紹介します。
価値観の相違に気が付いたとき
夫婦といってもそれぞれ育ってきた環境は異なります。
価値観の違いがあるのは当然のことと言えるでしょう。
付き合っていたころや結婚したばかりのころは気にならなかったことでも、時間の経過とともに許せなくなる…
なんてことは少なくありません。
結婚すると、妊娠や出産、住宅購入などさまざまなシーンで価値観の違いを感じる機会が多いものです。
長い時間一緒に過ごせば、子育てや金銭面、食事など日常生活の些細なことでも価値観の違いを感じることもあるでしょう。
価値観が違う相手と話しても楽しくないですよね…。楽しくないだけでなく、ストレスに感じることもあるでしょう。
価値観の違いをきっかけに、少しずつ夫婦の会話が減り、家庭内でも距離を置くようになり、次第に仮面夫婦へと陥ってしまうのかもしれませんね。
環境や生活スタイルの変化があったとき
結婚したばかりのころは、一緒に生活できるのがうれしかったはずなのに、生活スタイルの変化にともない仮面夫婦へと陥ってしまうケースもあります。
本来、妊娠や出産は喜ぶべきライフステージの変化ですよね。
しかし、生まれたばかりの赤ちゃんのお世話はとても大変です。
ママはもちろんパパも、気持ちに余裕がなくなることもあるでしょう。
子ども中心の生活スタイルへと変化することで、家事や育児の分担、教育方針などで揉めることも増えます。
意見の相違により、お互いの気持ちが離れていくきっかけとなります。
また、転職や転勤、単身赴任なども、環境が大きく変わるきっかけです。
さらに、リストラや事業の失敗など収入が減ってしまうような経済的な変化は、生活スタイルを大きく変えてしまいます。
環境が変わり、夫婦が一緒に過ごす時間が減ってしまえば、コミュニケーションが少なくなり、少しずつ夫婦間に距離ができてしまうでしょう。
生活スタイルの変化により、「こんなはずじゃなかったのに…」と感じている夫婦ほど、仮面夫婦に陥りやすいかもしれませんね。
浮気もしくは浮気を疑うような出来事があった
パートナーの浮気、もしくは浮気を疑うようなことがあると、仮面夫婦につながりやすいです。
どんなに長い間一緒に過ごしている夫婦でも、浮気は信頼関係を崩壊させてしまうきっかけになります。パートナーのことを信頼できなければ、今まで通りの仲の良い夫婦でいるのは難しいでしょう。
実際に浮気していなかったとしても、浮気を疑って大きなケンカに発展してしまえば、夫婦間に決定的な溝が生まれてしまうこともあります。
浮気をきっかけに、「パートナーを信じたいのに信じられない…」と悩む状態では、離婚ではなく仮面夫婦を選ぶのも分かる気がします。
妊娠・出産後は産後クライシスに要注意
仮面夫婦は、お互いに愛情を感じていないことがほとんどでしょう。
愛情を感じなくなるきっかけの1つに、「産後クライシス」があげられます。
産後クライシスは、出産や子育てによる疲れやストレスから夫婦関係が悪化している状況を指します。
産後クライシスをひき起こす原因は、産後のホルモンバランスの乱れや子ども優先の生活による疲れなどさまざまです。
産後の女性の体はデリケートであることを理解した上で、夫婦のコミュニケーションをとる必要があります。
また、産後クライシスの影響で、セックスレスになる夫婦も少なくありません。
セックスレスが長期間続けば、次第にパートナーへの愛情は薄らいでいき仮面夫婦に陥りやすいです。
そもそも配偶者に関心がない
お見合いや婚活アプリなどで出会い、パートナーの年収や学歴などのステータスばかりを重視して結婚した場合、はじめからパートナーへの興味が持てないという方は少なくありません。
共通の話題や趣味がなく、内面的な興味が持てないまま夫婦関係を続けることになります。
結婚したばかりのころは、お互いが新鮮な気持ちでいるため気づきにくいですが、パートナーに関心がなければ仮面夫婦に発展する可能性が高いでしょう。
利害関係重視で結婚したカップルは要注意です。
なぜ離婚しないの?仮面夫婦のメリットとデメリット
仮面夫婦は、なぜ離婚を選ばずに冷え切った夫婦関係を続けるのでしょうか?
ここでは、仮面夫婦のメリットとデメリットについてお話しします。
仮面夫婦のメリット
先述した通り、世間体を気にして離婚に踏み切れないでいる仮面夫婦は多いようです。
離婚しないことで、世間体を保つことができます。
また、経済的に安定した生活を送るために離婚できないという方も少なくありません。
相続や年金など将来のことを考え、離婚しないで仮面夫婦を選択する方もいるようです。
子どもがいる夫婦の場合は、離婚によって子どもに与える悪影響を回避できるというメリットがあります。
仮面夫婦が離婚しないデメリット
仮面夫婦の生活を続けるデメリットは、やはり精神的な苦痛を感じることでしょう。
愛情を感じないパートナーと生活を共にするのは、当然ストレスも伴います。
常にストレスを受けながらの生活は、いずれ限界を迎えることになるかもしれません。
子どもの前では仲良し夫婦を演じている場合、どんなに気を付けていても子どもは気づいているかもしれません。
大人が思うよりも子どもは敏感で繊細です。
子どものことを考えて、離婚せずに仮面夫婦を選んでいても、ギクシャクした家庭環境は、思いのほか子どもに悪影響を及ぼす可能性もあります。
【よくある3つのパターン】仮面夫婦の行く末は?
夫婦のかたちはさまざまで、一組として同じ夫婦はいません。
仮面夫婦にはメリットもデメリットもあり、仮面夫婦だから「不幸せ」というわけではありません。
しかし、仮面夫婦の方の中には、「このまま仮面夫婦を続けたら一体どうなるのだろうか…」と不安を抱える方もいるようです。
ここでは、仮面夫婦の二人が将来迎えるであろう行く末のパターンを3つご紹介します。
仮面夫婦の行く末に不安を感じている方は、ぜひ参考にして将来に備えてください。
仮面夫婦の行く末その①:一生涯、仮面夫婦を継続する
夫婦が互いに納得の上、仮面夫婦を選択している場合、一生涯、仮面夫婦として婚姻関係を継続するケースがあります。
ほとんどの仮面夫婦は、家の中では夫婦がお互いに干渉することはありません。
掃除や洗濯、料理などの家事も、自然に分担しているケースが多いでしょう。
自分のことは自分でやるという生活に慣れていて、お互いに不満がなければ仮面夫婦であり続けるのも1つの方法です。
ただし、お互いいつまでも元気でいられるという保証はありません。
年を重ねれば、どこか不調がでてきて病気やケガの心配も出てくるでしょう。
働けなくなったときや介護が必要になったときに、どうするのかをしっかり考えておく必要があります。
夫婦それぞれ老後のための資金を貯めておくなど、事前に話し合っておくことをおすすめします。
介護が必要になった際は、自分が入りたい施設なども決めておくといいかもしれませんね。
なかには、仮面夫婦とはいえ、長年連れ添った夫婦としての情から介護をする気持ちはあるという方もいるようです。
折を見て、夫婦で話し合っておくと安心です。
仮面夫婦の行く末その②:仮面夫婦に耐えられなくなり離婚
長い間、冷えきった関係を続けていると、いずれ訪れるのが「離婚」という選択肢です。
仮面夫婦の状態でいいと思っていても、無意識にストレスを感じているケースは少なくありません。
小さなストレスが積もり積もって、いずれ耐えられない状態まで膨らんでしまえば、離婚に至ってしまいます。
また、子どもの成人やパートナーの転勤・転職など環境の変化があった際、「離婚」の二文字が頭をよぎることもあるでしょう。
さらに、老後を前に熟年離婚するケースも多いです。
冷え切った仮面夫婦の生活でも、夫の身の回りの世話をしているという女性は少なくありません。このようなケースは、熟年離婚を考えている可能性が高いでしょう。
夫が定年退職を迎えれば、家にいる時間が増えるため、当然一緒に過ごす時間も増えます。急に離婚願望が湧き出てきて、離婚を決意して自由になりたいと感じる人は多いようです。
大きなライフイベントがあると、将来のことを考え離婚のきっかけになるかもしれませんね。
離婚する場合は、まず夫婦間で話し合うことからスタートします。
しかし、仮面夫婦の場合、スムーズに話が進まないケースも多いです。
パートナーが離婚を拒んだり話し合いに応じなかったりする場合は、「離婚調停」に移行します。
離婚調停では、家庭裁判所で第三者を通して話し合いをし、財産分与や養育費などを取り決め離婚成立を目指します。
仮面夫婦の行く末その③:セカンドパートナーを作り仮面夫婦を継続する
仮面夫婦の中には、お互い公認のセカンドパートナーがいるという夫婦も少なくありません。
特にセックスレスの夫婦に多いのが、このパターンでしょう。
夫婦としての関係は維持しながらも、夫婦がそれぞれ別のパートナーを作り関係を持ちます。
セカンドパートナーには、パートナーからは得られない愛情や体の関係などを求め満たされます。
仮面夫婦の関係を続けるためには、セカンドパートナーが必要という方は少なくありません。
理解できないと思われる方も多いですが、夫婦が互いに認め合っているのであれば、成立するのかもしれませんね。
一般的に浮気は不貞行為として離婚事由にあたるため、慰謝料請求の対象となります。
なにかのきっかけで、セカンドパートナーの存在が夫婦間で揉めることになった場合でも夫婦関係が破綻している状態では、慰謝料の請求ができない可能性があります。
仮面夫婦の状況にもよりますが、夫婦関係が破綻していると裁判官に判断されれば慰謝料請求は難しいでしょう。
まとめ
世の中には、一組として同じ夫婦がいないように、仮面夫婦とひと言でいっても、夫婦の在り方はさまざまです。
仮面夫婦にはメリットもデメリットもあり、仮面夫婦だから「不幸せ」ということはありません。
世の中には、仮面夫婦として幸せに暮らしている夫婦もたくさんいるでしょう。
今回ご紹介した仮面夫婦のあるあるに心当たりがある方の中には、この先も仮面夫婦を続けていくべきか迷う方もいるでしょう。
ご紹介した仮面夫婦の行く末に正解も不正解もありません。夫婦が共に幸せと思える関係を選択するヒントになれば幸いです。