- 最近夫の顔を見るのもイヤ!
- この夫と生涯つれそうことができるのか不安
- 熟年になっても仲良し夫婦でいられる秘訣を知りたい
最近「熟年離婚」に関する話題を目にすることが多くなりました。
せっかく好きで結婚したのに、年月と共に「夫の顔も見るのもいや!」なんて関係になりたい人はいないですよね。
私(60代)は結婚生活30年以上たちましたが、「○○さん(筆者)のところは仲良しでいいわね」と言われることが多いです。
そんな私も、夫と大ゲンカをして「もう離婚しかないわ」なんて思ったことが何度もありました。
それでも、60代になって手に入れた夫と過ごす円満で穏やかな時間こそが何よりの宝物だと日々実感しています。
本記事では、私たち熟年夫婦のこれまでの経験談を交えながら結婚生活を円満に長続きさせる秘訣をご紹介します。
熟年離婚が増えているってホント?その原因は?
実は、年々熟年離婚を決断する夫婦が増えていることをご存じでしょうか。
子供が成人をしたタイミングなどで、もう夫と一緒にいたくないと理由に、離婚を決意する女性も少なくありません。
【限界】旦那と〝もう一緒にいたくない〟夫を苦痛と感じる時のストレス対処法7選
結婚20年以上で、10組中2組が離婚!
厚生労働省が公表している資料によると、熟年離婚の割合は年々増加し、令和2年には21.5%となっています。
(熟年離婚とは一般的に20年以上連れ添った夫婦が離婚をすることを言います)
離婚した夫妻の同居期間について、昭和 25 年以降の年次推移をみると、同居期間が「5年未満」の割合は、昭和 25 年から低下傾向にあり、昭和 58 年の 32.2%まで低下した後、上昇傾向に転じたが、平成8、9年の 40.1%をピークに再び低下傾向となっている。
令和4年度 離婚に関する統計の概況
一方、同居期間が「20 年以上」の割合は、昭和 25 年 以降、上昇傾向にあり、令和2年には 21.5%となっている
熟年離婚の原因は?
熟年離婚の理由に関する正式な統計データはありませんが、いくつか関連記事を見ると以下の項目が多いとされています。
- 「性格の不一致」
- 「価値観の違い」
- 「モラハラやDV」
- 「親の介護問題」
- 「異性関係」
令和2年度の司法統計によると、離婚調停の申し立て理由ランキングは男女とも「性格が合わない」が第1位でした。
また「精神的に虐待する」男女共に3位以内に入っていました。
離婚理由 | 夫側 | 妻側 |
---|---|---|
1位 | 性格の不一致 | 性格の不一致 |
2位 | 不倫・浮気 | DVや精神的虐待 |
3位 | 性的不調和 | 不倫・浮気 |
4位 | 不倫や浮気 | 浪費する |
5位 | 浪費する | 性的不調和 |
私がランキング結果で気になったのは、夫側の離婚理由1位の「性格の不一致」です。
長年連れ添っても、「夫とは性格が合わない」「妻とは性格が合わない」これらを理由に離婚をしたいと考えるそうです。
しかし、熟年離婚の原因である「モラハラ」は決して妻側だけの問題でないことも示唆されています。
妻の心ない言動に、夫は想像以上に傷ついているかもしれません。相手に対して思いやりに欠けた一言が、積もり積もれば熟年離婚につながるということを胆に銘じたいと思います。
熟年世代が実践している夫婦円満の秘訣や本音は?
私と同じ熟年世代が、夫婦円満に暮らすために何を大切にしているのか調べてみました。
ネットリサーチ会社マクロミルは、夫婦円満と回答した熟年世代(40~50代)を対象に「夫婦円満の秘訣」についてアンケートを行っています。
アンケート結果によると、熟年世代は「相手を尊重する・思いやる」が約半数を占めトップでした。
*20~30代の若者世代は、1位「できるだけ会話をする」2位「相手を尊重する・思いやる」)
参考文献:マクロミル社「いい夫婦に関する調査
夫婦円満の秘訣1位:相手を尊重する思いやる
熟年離婚を回避する最大のキーワードは「思いやり」で間違いないようです。
長くいっしょにいれば相手にイラつくこともありますが「思いやりに欠けた一言」はぐっとこらえる努力が必要ですね。
年を重ねるごとにお互いを思いやり、いつも新鮮な空気のような存在になっています。そして一番うれしかった言葉が「あの世に行ってもお前と一緒になりたいな」です。(59歳 既婚35年以上)
ハルクメル365 熟年夫婦 愛はある?50代~150人本音アンケ―ト
夫婦円満の秘訣2位:出来るだけ会話する
子供が巣立った後も夫婦の会話がなくならないために「お父さん、お母さん」呼びをやめてみるのも効果がありそうですね。いくつになっても名前で呼びあうのは素敵だと思います。
子どもが独立して二人になってからでは遅いと聞いていたので、15年ほど前から、お父さんお母さんではなく、名前で呼ぶことからスタートしました。(61歳 既婚35年以上)
ハルクメル365 熟年夫婦 愛はある?50代~150人本音アンケ―ト
夫婦円満の秘訣3位:常に感謝の気持ちもつ
私は定年までフルタイムで働いていました。
帰りが遅くなることも多かったのですが、そんな日は夫が夕食を用意してくれました。
退職した今は、現役中の私を全力でサポートしてくれた夫に恩返しのつもりで毎日食事をつくっています。
妻は岩手県花巻市の自宅で、私は青森市で退職までの6年間、単身赴任を強いられた。その間に東日本大震災に遭い、お互いに気遣う日々が続いた。仕事に夢中で取り組めたのは妻のお陰。妻は子育てに奮闘し、地域にも溶け込んで活躍してくれた。私が、妻と地域に恩返しをする番である。(岩手県 60~64歳)
朝日新聞:Reライフ.net 60歳すぎても「仲良し夫婦」の秘訣とは
夫婦円満の秘訣4位:一緒にご飯食べる
夫婦そろって食事をするのは楽しいもの。
でも食事づくりが妻の負担にならないような工夫も大切だと思います。
わが家では、焼肉となべの日に夫が料理を担当してくれます。
このように夫婦が役割分担をしてひとつことを一緒にやることで、夫婦の会話をするきっかけが増えて、より円満な家庭になると感じています。
また、私の場合は、夫が料理を担当してくれることで改めて感謝の気持ちを感じます。
夫婦円満の秘訣5位:お互い干渉しすぎない
熟年世代は、夫婦というより家族というスタンスでバランスをとっている方も多いようです。
ほどよい距離感は大切だと思います。
何でもかんでも干渉されると、常に監視されている気分で居心地が悪くなりますよね。
むしろ、お互いが好きなことをしている方がストレスが少なくすみます。
熟年になる前から夫婦円満のためにわたしが心がけてきたこと(体験談)
私は夫と仲良く穏やかに暮らせるよう、40代になる前から心がけていたことがあります。
「これは若いうちからやっておいてよかったなあ」と思うことを振り返ってまとめました。
これを言ったらおしまい、を意識する
私がいちばん意識して心がけていることは「どんなに相手に腹が立っても、相手の尊厳を傷つける一言は絶対口にしない」ということです。
ケンカになると売り言葉に買い言葉になりがち。ここが正念場です。私は相手に腹が立った時、外見的なことや相手がコンプレックスを持っていることは口が裂けても言わないよう注意しています。
とはいえ、ケンカ中は感情のコントロールがむずかしいときもあります。そんな時「これを言ってはおしまいよ」と心の中で呪文を唱えてから言葉を発するようにします。
前もって相手が傷つく言葉(絶対口にしてはいけない言葉)を具体的に考えておくときっとうまくいきますよ。
夫をほどよく頼るようにする
夫に「頼っているよ」とアピールするのは夫婦円満に効果があります。
父を頼るのが上手だった母の口ぐせは「お父さんの入れたコーヒーをのんだら、そのへんの喫茶店に行く気にならない」でした。
父はその言葉を聞くたびに「またまた、うまいことおだてて」と言いながら、いそいそと母にコーヒーを入れていました(いつの間にか父はコーヒー係になっていました)
私は換気扇を分解して掃除するのが苦手です。でも夫は手際よく掃除してくれます。
そんな夫に「やっぱり○○(夫の名前)がいないと無理だわ~」というと「そんなこと言って。」と言いつつ頼りにされてまんざらでもないようです。
夫を頼った分、自分が得意なことは頑張ろうという気持ちになります。
感謝の気持ちは、言葉だけでなく夕食にもう一品増やして伝えるようにしています。
夫に頼らなくても経済的に自立できるようにする
私は夫を頼りにする一方、経済的には夫に頼らず自立したいと考え定年までフルタイムで働きました。
もし夫が病気やリストラなどで仕事がなくなっても、私が経済的に自立していれば危機を乗り越えることができます。
「ふたりで力を合わせればなんとかなる」と夫婦の間で連帯感が生まれます。
今になって思えば、この連帯感も私たち夫婦が円満である大きな理由だと思います
もちろん私が定年まで働くことができたのは、夫の精神的な支えがあったからです。
育児制度を利用しても、女性が仕事と育児を両立させて経済的に自立するのは簡単なことではありません。
夫の協力しだいというところもあります。
子供が熱を出したら保育園からお迎えの電話はだいたいお母さんのところにきます。
それでもこれからの結婚生活を長い目で見たら、女性も仕事を続けるという選択肢を捨てないでほしいのです。
夫に気兼ねなく買い物や趣味を楽しむこともできますよ。
自分を棚に上げて夫に高望みしないようにする
結婚生活を続けていると相手の嫌な面が見えてくるもの。
でも「こんなはずじゃなかった」と感じるのはお互いさまです。
わたし自身も若いときは「結婚生活や夫はこうあるべき」という理想とのギャップに不満を感じたことがあります。
ところが30代後半の頃、同じ年の友人が自分の恋人について「こんなに私を大切にしてくれる人と出会えるチャンスはこの先もうないと思う。だからこの人を大切にしなくてはね。あなたもよ。」と話すのを聞いて考えが変わりました。
「私は夫にばかり理想を求めているけど、夫から見た自分はどうなのだろう」「こんな私といっしょにいてくれる夫にもっと感謝の気持ちを持たなくては」と思うようになったのです。
それからは夫のよい面ばかり見えるようになり、嫌な面だと思っていたこともさほど気にならなくなりました。
夫婦共通の趣味を見つけるようにする
夫婦で共通の趣味を持つことは、夫婦円満にとても効果的です。
私たち夫婦はもともとスキューバダイビングを通じて知り合いました。
夫婦になった時点で共通の趣味があったので、話題にこと欠いたことはありません。
しかし50代を過ぎたころから重たいタンクが苦痛になり、海に行く機会がぐっと減りました。
すると、以前に比べて会話がぐっと減ったように感じたのです。(仲が悪くなったわけではありません)
そんなときテレビで山歩きの番組を見て興味を持ち、夫婦で始めてみることにしました。
すると「次はどこの山にしようか」「準備はどうしようか」など会話がはずむようになったのです。
ダイビングに比べて費用もかからず健康的で「いい趣味を見つけたね。もっと早くから始めたらよかったね」とよく話しています。
ぜひ今のうちから、夫婦で長く楽しめる趣味を見つけてくださいね。
夫婦それぞれの楽しみ見つけるようにする
夫婦で共通の趣味を持つと同時に、夫婦それぞれの楽しみを見つけることも大切です。
私の夫は、水泳が大好き。
週に2~3回は近所のプールに出かけていきます。
私は水泳が大の苦手。誘われても一度もいっしょにプールに行ったことはありません。
でも夫がプールに行っている間は、私にとって貴重な時間です。なぜなら、自分だけの趣味に没頭できるから。
私は、ミシンで小物づくりをするのが好きです。でも夫が家にいると気が散って作業がすすみません。
だから、夫がプールに出かけるのがウェルカムなのです。
夫が留守の間、部屋に布地を広げて思う存分ミシン作業を楽しみます。
そして、夫がプールから帰ってきたら笑顔でお迎えします。
夫婦そろって過ごす時間を大切にしつつ、別々に過ごす時間も充実させたいものです。
まとめ
この記事では私たち熟年夫婦の経験談を交えながら、結婚生活を円満に長続きさせる秘訣をご紹介しました。
長い夫婦生活の中で、夫婦の環境も役割も変化します。結婚した当時の気持ちも永遠に変わらないなんてことはありません。だからこそ、お互い思いやりの気持ちが持てるよう工夫や努力をすることが大切だと思います。
60代の結婚生活は、若い頃に味わえなかった楽しみもたくさんあります。
結婚生活20年を迎えても仲良し夫婦でいられるよう、まずは「ありがとう」の言葉からはじめましょう。