好きになって結婚したのは良いものの、いざ結婚生活が始まると、夫はまるで別人のようになってしまった。
この人と、今後も一緒に暮らしていく自信がなくなってしまった女性は少なくありません。
思い描いていた結婚生活とは大きくかけ離れた毎日に、身も心も疲れ切ってしまったでしょう。
離婚したいと思っても、先のことを考えると、そう簡単に決断を下すことはできません。
特に、大切な子どもへの影響などを考えると、将来に与える影響が心配で決断できませんよね。
だけど、ことある毎に「もう無理!!別れたい!!」そう思ってしまうほど、夫のすべてに拒絶反応が出てくるのです。
今回は、夫と別れたいけど子供が小さくて心配…。離婚が子供に与える影響や離婚を決意した理由を紹介します。
日本における離婚率について
日本において、離婚率は、1960年から2000年にかけて、離婚率は右肩が上がりであり、2.10となっているものの、近年は離婚率1.99と減少傾向となります。
離婚を決意する理由について
離婚を決断する理由の1位は性格の不一致となります。
特に子供ができると、より性格の違いを感じてしまい夫婦間が悪くなってしまう家庭もあります。
子供が生まれて少し手が離れるまでは、精神的にもピリピリしやすい状態です。
お互いに強く当たってしまうことも多々あります。
このような関係が続いてしまうことによって、夫婦関係が冷め切ってしまうことがよくあります。
夫婦の離婚が小さい子供に与える影響とは?
夫婦が離婚することによる子供の脳への影響はさまざまな研究が行われています。
離婚をすることで、全ての子供がこれから紹介するような影響があるわけではありませんが、子供には、大なり小なり精神的なストレスを感じさせてしまうことを理解する必要があります。
夫婦仲が悪くても離婚をしなければ、子供への影響は防ぐことができるのか。と言われると一概に正しいとも言えません。夫婦仲が悪い状態を日常的に子供が察してしまうと、「僕が原因でお父さんとお母さんは喧嘩しているんだ…。」と思ってしまいます。
離婚をするより、高いリスクとなる場合がありますので、子供のことを十分に考えてどちらの方が良い影響を与えるか考える必要があります。
その1:子どもの離婚率が高まる
離婚した両親をもつ子供が結婚する場合と、離婚していない両親をもつ子供が結婚する場合の離婚率を比較すると、離婚率が高くなることがこれまでの研究で明らかとなっています。
子供の頃に経験したことが、潜在意識に刷り込まれ、意図せずに子供が大人になった時に繰り返しやすいのです。
また、それ以外にも、シングルマザーでも幸せな家庭を過ごすことができると、離婚自体に対して悪い印象を持たない子も増えているためと考えられます。
子供の離婚率が高まる要因
- 離婚に対するハードルが低い
- 結婚に対する良い印象が少ない
- 父親と母親の絆を感じづらく、無理して一緒にいる必要がないと考えている
- 一人親でも生活できることを知っているため
両親の離婚が子供の離婚率に影響すると論じたデータについて
その2:精神的に不安定になりやすい
離婚直後というのは、子供は精神的に不安定になりやすいとされています。
- 母親にとっては、元夫は離婚によって関係を断ち切りたい相手
- 子供にとっては、愛着があるたった一人の父親
このように、子供が離婚に対して感じる体験は全く異なります。
また、子供によってはパパとママが離婚した原因は自分であると思い込んで、自分を責めてしまう場合があります。
その3:何かに依存しやすくなる
離婚が子供へ与える影響の3つ目として、「何かに依存しやすくなること」です。
離婚によって片親を失うことで出来た心の隙間を埋めるために、お酒・タバコなどに頼ることで心のバランスを取ろうとする可能性があります。
依存症に陥りやすいもの
- お酒やタバコの趣向品
- 人肌が恋しいため、女性や恋愛などに依存する
- 自分のことを認めてほしいと承認欲求が強くなりやすい
- 他人の評価ばかりが気になる
その4:子供が一人でいる時間が増えて、孤独に感じてしまう
離婚後も生計を維持するために、これまで以上に仕事に従事していく必要があります。
これまでとは異なり、パートタイムなどで生活をしていくことは困難となり、フルタイムで仕事をする必要があります。
実家の近くで、祖父・祖母に仕事は子供の面倒を見てもらえる家庭もありますが、多くの場合は保育園・幼稚園・学童に長時間子供を預ける必要があります。
毎日、朝早くに施設に預けられ、お迎えは園の中で一番最後。
このような生活をしていると、子供は「どうして、僕だけ置いていかれるの…?」と寂しい思いをさせてしまいます。
幼い頃の寂しかった記憶を子供は覚えている
海外の研究では、親の離婚から10年が経った後に、成人した後も親が離婚した当時の記憶を覚えているか調査した結果があります。
そのデータによると、子供は親が離婚した当時の記憶を鮮明に覚えており、悲しみや喪失感を持ち続けたと明らかになっています。
そのため、離婚をする場合は、これまで以上に子供の心のケアは大切になります。
参考文献:Children of divorce: Preliminary report of a ten-year follow-up of young children
離婚が子供に良い影響を与える場合もある
これまで、夫婦関係が崩れてしまうことによる子供への影響を伝えてきましたが、子供のためを考えると離婚せずに我慢して暮らすことが最良の選択肢になるのでしょうか。
前述した通り、感受性の高い子供が幼いときに夫婦が離婚してしまうのは、それなりにリスクがあるとされています。
しかし、それらを踏まえたとしても、離婚をした方が子供にとっても夫婦にとっても良い結果になることもあります。
離婚した方が子供に良い影響を与えるケース
- モラハラやDVなどが行われている
- 常に夫婦が不仲で喧嘩ばかりをしている
- 夫が浮気や不倫を繰り返し、子供に気付かれるリスクがある
- 子供に対して夫婦喧嘩のストレスをぶつけている
このように日常的に夫婦関係が悪いことを見せることは、離婚以上に子供にとっては悪い影響となります。
子供の為に離婚を拒む事はおかしいですか。 私達夫婦は離婚寸前です。
浮気などはお互いありませんが、考え方の違いがあまりに激しく会えば10分で喧嘩?口論?になります。
只今別居してますが月に一回会っても変わりません。理解しあいたい、と折れたり話し合いも持ちましたが旦那の異常な短気と思い込みは治すつもりはないと。
今は家計も別で金銭的な援助もないので離婚をお互い考えましたが私は子供のために離婚を先延ばしにしたいのです。しかし旦那は子供のために仮面夫婦はできない、離婚かもしくは今まで通りか、という考えです。
yahoo
ここまで、夫婦関係が悪化してしまっている場合は、子供のことを考え「夫とは別れる・距離をおく」も一つの対処法となります。
今一度、「子供のために」という意味を考える必要があるでしょう。
子供の年齢と離婚するタイミングや時期について
これまで子供がいる家庭で離婚することによる影響について解説しましたが、子供にとって負担が少ない時期やタイミングに夫と別れたいと考えている人も少なくないはず。
- 子供への影響が少ない時期はいつか知りたい
- 夫に離婚をいつ切り出すか決めかねている
このような方はぜひ参考にしてください。
離婚するタイミング:幼少期(0~4歳)まで
幼少期の特徴は、心身発育や発達が最も著しく、基礎が作られる大切な時期となります。
一方で幼少期の記憶は残りにくいこともあるため、離婚したとしても親への感情も残りにくいとされています。
そのため、どちらが親権を持つかなどを話し合った上で、ご実家で祖父・祖母も含めて子供を育てることで子供への影響も比較的少なく育てることが出来ます。
子供が4歳ともなると、強いストレスや大きな出来事は大人になっても覚えていることがありますので、子供との関係性が構築される前に別れることが理想となります。
離婚するタイミング:子供が進学するタイミング
離婚が子供にとってストレスになることの一つとして、苗字が変わることで周囲の友達から知られることです。
そのため、中学校、高校、大学など子供が進学するタイミングで夫と別れることも一つの手段となります。
ただし、下記のタイミングは十分に注意を払う必要があります。
- 子供が受験をする時は避ける
- 進学後の学校でも友人が多い
受験勉強によるストレスに加えて両親が別れるストレスがかかることは子供にとって大きな負担となります。
離婚するタイミング:子供が成人になった後
- 子供が成人の年齢
- 一人暮らしを始めた
- 結婚をした
- 就職をした
このように子供が親元を離れて自立した生活を始めたタイミングであれば、離婚が子供に与える負担を軽減することができます。また、精神面も大人となり、夫と妻の意向を正しく汲み取り理解することが出来るようになってきます。
子供のために夫と離婚せずに生活する上で意識すべきこと
これまで離婚が子供に与える影響についてお伝えしてきましたが、子供のことを考えるとまだ離婚は出来ないと感じる夫婦も多いと思います。
このような夫婦が今後、生活する上で意識すべきことが3つあります。
関連記事:
【もう嫌!!】旦那の顔も見たくないと妻が感じる理由と嫌いな夫と生活する6つの秘訣
夫がどんどん嫌いになる…よくある理由7選と嫌いな旦那と過ごす立ち回り法11選
その1:子供の前では喧嘩をしない
どんなに夫婦仲が悪く、仮面夫婦となったとしても子供の前で声を荒げて喧嘩をするなどは避けましょう。
幼少期の子供の脳は、大人が思う以上に繊細です。
引っ越しなどで住んでいる場所が変わるだけでも子供には強い精神的なストレスがかかるとされています。
日常的に子供の前で夫と喧嘩をする姿を晒すということは、引っ越しの比ではないぐらい子供にとって負担は大きいです。
もし夫婦の仲が離婚を望むぐらい険悪だとしても、子供の前では決して夫婦喧嘩を見せないようするなど夫婦の決め事とすることをお勧めします。
その2:夫婦のルールを決める
二人の関係性が悪化すればするほど、夫婦のルールを明確化しておくことが大切です。
お互いに「譲れない部分」「妥協できる部分」があると思います。
このお互いに譲れない部分をしっかりと話し合い夫婦のルールを決めることで、よりよい家族として生活することができます。
また、お互いに譲れない場所を理解して行動すると、夫も妻もこれまで以上にストレスが減っていきます。
そうすることで、少しずつギスギスした関係性が改善されたケースもありますよ。
夫婦ルールの一例
- 子供の前では絶対に喧嘩をしない
- 喧嘩を止める合図を決める
- 必要以上に相手に踏み入れない
- 言いたいことや、相手への不満は子供に分からないようにメールで伝える
- 使ったものは必ず、元あった場所に戻す
- 片付けられない夫の私物は夫専用のボックスを作り、全て入れる。(妻が雑に入れても怒らない)
その3:離婚をするラインを決めておく
これまでさまざまな嫌なことにも耐えてきたと思います。
夫から、あり得ないことや信じられないことも過去にあったと思います。
夫は、妻のことを「酷いことをしても最終的には許してくれて自分の元からは離れない存在」と考えています。
それを許してしまうとどんどん夫の嫌な行動はエスカレートする恐れがあります。
そうなる前に、自分の中で、ここまでされた離婚をするといったボーダーラインを明確に持つことも大切です。
夫と別れるボーダーライン
- 暴力やDVを1度でもされたら離婚をする
- 子供に対して、酷いことをしたら離婚をする
- 1ヶ月以上喧嘩をしたとき
- 浮気相手が3人以上になったとき
- 借金をしたとき
子供がいても夫と離婚をしてしまう決定的な理由とは
子供がいても今の夫とは離婚して夫婦別々に生活した方が良いと決断する理由には、どんなことがあるのでしょうか。ぜひ確認してみましょう。
子供がいても離婚する理由①:夫の不貞行為
夫の不貞行為や浮気・不倫は、子供にとっても悪影響を及ぼすことが考えられるため、小さい子供がいても離婚を決意する女性は少なくありません。
しかし、経済的な理由などで、離婚をするか迷ってしまう女性も少なくありません。
夫の不貞行為が証明できる場合、慰謝料や養育費が増えることがあります。
下記に専門家が監修した記事がありますので、ぜひご覧ください。
合わせて読みたい記事
〝夫の浮気〟発覚したらどうする?不倫した旦那との将来設計・やってはいけないNG行動
離婚した女性の声
友人は、子ども3人いて離婚しました。
不貞行為がひどくて悩んだ挙句です。元だんなさんは収入はあったけど、 それでも耐えられなかったようです。
離婚後、相手はあっという間に再婚して、 養育費ももらえたりもらえなかったり・・・。
ものすごく大変な経済状況だったから、 離婚を思いとどまっていたら、楽な生活だったのに なんて思っていたけど、 本人と話してみたら、 「それでも、離婚してせいせいした」と言っていました。離婚の原因はさまざまですが、 子がかすがいにならないほどひどいケースもありますね。
友人は今も子どもの教育費のためにたくさん働いています。養育費はもうもらえていないようですが、 元だんなさんの再婚相手の子どもたち(小学生)は、 私立校に通っているそうです。
yahoo知恵袋
子供がいても離婚する理由②:夫の借金やDV
- 知らない間に夫に借金がある
- 普段から暴力や暴言などのDV行為がある
このようなケースは、子供にとっても非常に悪影響になることが予想されます。
子供を守るためにも、夫と離婚を決意する女性が多いです。
ギャンブルに依存しやすい人・モラハラやDV癖がある人は、何度話し合っても解決せず繰り返すケースが多いのも離婚を決意する理由となります。
離婚した女性の声
私は子供が1歳の時に離婚しました。
今子供は小学4年のヤンチャ坊主です。私の場合は実際は… 知らない借金、女、勝手に仕事を辞めて何も言わず毎日出勤のフリをしていた、暴力、監禁…などなど、5年交際してきて結婚…何を見てきたのかと思う人生でした。
こんな状態で慰謝料や養育費なんてのも払ってもらえない状況。また、あいつに頼りたくないという意地。 現在は一切連絡とってない状態です。
yahoo知恵袋
子供がいても離婚する理由③:日々の積み重ね
子供がいても離婚をするケースとして多いのが、夫の些細な行動が積み重ね、蓄積することで我慢の限界となり離婚するケースです。
夫からしたら、「何が悪いの?」や「それだけで?」と感じてしまう人も多いと思います。
もちろん、妻も嫌なこと1回だけで決断するわけではありません。
毎日の積み重ねで、段々と夫婦関係に亀裂が入りその亀裂は大きくなることで離婚を決意します。
合わせて読みたい記事:
旦那がどんどん嫌いになる‥夫嫌いになったきっかけと対処法11選
離婚した女性の声
3人の子供を引き取って離婚しました。
理由は日々の積み重ねです。
元旦那の金使いの荒さ、警察に捕まったりトラブルメーカーで、終いには浮気で家出。
せっかく結婚したのだから最期まで…と思っていましたが子供まで巻き込み、もうこの人と一緒では平和に暮らせない…と泣く泣く離婚を決断しました。
子供に対して申し訳ない気持ちは多分ずっとあると思います。でも、その気持ちがあるから母親役も父親役も両方出来るのだと思います。
教えてGoo
離婚した後の子供との面会の頻度について
離婚は夫婦の問題であり、子供は離婚原因に関係がない場合も多くあります。
そのようなケースの時は、親権を持たない方も子供にはたくさん会いたいと考えているはずです。
離婚後の子供との面会頻度は、離婚時に協議のもと決定されます。一般的には、面会頻度は、月に1回程度とされています。しかし、夫のモラハラやDVなどが原因で離婚になった場合は、子供との面会頻度は異なります。
弁護士:碓井 晶子様より実際の実務における面会頻度の状況
裁判所としても、月1回を目安に考えているようです。
そのため、月1回実施のケースが一番多いです。
もっとも、事案によっては、毎週であったり、はたまた2か月に1回、半年に1回などになるケースもあります。
面会交流の頻度を左右する事情について
面会交流の頻度を左右する事情としては、次のようなものがあります。
- お互いが遠方である場合
長期休暇期間だけ面会するとしたり、2か月に1回となることが多い - 一定の年齢に達したお子様が面会を拒否している場合
お子さんが10歳以上のケースで面会を拒否している場合は、面会出来ないことも多いです。
お子さんが15歳以上であれば、お子さんの意思がより尊重されるため、なおのこと面会出来なくなります。 - 暴力を振るう方についての場合
お子さんに暴力を振るっていたり、お子さんの面前で配偶者等に暴力を振るっていると、面会の回数は減らされたり面会できなくなることがあります。
面会頻度の決めかた
- 面会交流のルールを夫婦のみの話し合いで決める
- 家庭裁判所に「面会交流調停」を申立てする
- 「面会交流審判」へ申立てする
上記の内容は、子供との面会頻度の決定方法となります。
最も好ましい方法は、「1:面会交流のルールを夫婦のみの話し合いで決める」となります。
夫婦の話し合いだけでは決まらない場合は、家庭裁判所に面会交流調停を申し出を行うこともできます。それでも不調となった場合は、面会交流審判で決定を委ねる形となります。
まとめ
本記事では、お子様がいる家庭において、離婚を検討している夫婦へ向けて、子供に与える影響や離婚をするタイミングや時期について解説いたしました。
子供がいる家庭では、妻と夫の関係性のみで別れるのではなく、子供がどうしたら最も幸せになるかを第一優先しましょう。
その上で、夫婦関係を続けることが子供にとっても悪影響であるのであれば、妻と夫が話し合い良い形で別れることをお勧めいたします。
ぜひ本記事を参考に、夫婦で改めて話し合いの場を設けるきっかけとしてください。
参考文献:
Association between parental separation and addictions in adolescents: results of a National Lebanese Study
Adverse childhood experiences (ACEs), peer victimization, and substance use among adolescents
離婚の年次推移|厚生労働省
19 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別 全家庭裁判所|司法統計