体内にすばやく水分を吸収させる効果が期待できるポカリスエットは、発熱などの体調不良時や熱中症対策として有効な飲み物です。
ペットボトルのポカリスエットはもちろん、水で溶かして作る保存に便利な粉末タイプがあり、ストックしている家庭も多いのではないでしょうか?
我が家では、スポーツなどでたくさん汗をかいた時の水分補給としてはもちろん、子どもの急な発熱時など脱水症状が心配な時も手軽に手に入るため重宝します。
しかし、大人が飲んでいるポカリスエットを、まだ身体機能が未熟な小さな子どもに飲ませても大丈夫なのでしょうか?
赤ちゃん用のポカリスエットも販売されているため
大人用を子どもに飲ませていいの?
大人用と子ども用のポカリスエットは何が違うの?
と言った疑問に応えるべく、今回は「何歳からポカリスエットを飲ませていいのか」について解説します。
また、子どもにポカリスエットを飲ませるときの注意点やおすすめの代用品もご紹介します。子どもの急な発熱や熱中症の際に間違った対応をしないためにも、ぜひ知っておきたい内容です!
大人用ポカリスエットを子供に飲ませて良いか悩む人は多い
ポカリスエットには、大人用と赤ちゃん用の2種類があります。
赤ちゃん用のポカリスエットが販売されているということは、大人用を赤ちゃんに飲ませるのは問題があるのでしょうか?
ネット上でも、大人用のポカリスエットを子どもに飲ませていいか悩む方からの投稿があったのでご紹介します。
大人用の普通のポカリスエットは何歳から飲めますか。 赤ちゃん用のポカリが売っていますが、何が違うんでしょうか。 1歳3ヶ月の子がいますが、熱があるときなどに普通のポカリを飲ませてもいいでしょうか。
yahoo知恵袋
このように発熱をした時や水分補給に、大人が飲むポカリをそのままあげて良いか不安な人は少なくありません。
大人用ポカリスエットは何歳から飲める?
ここでは、大人用のポカリスエットは何歳から飲ませていいのかについてお話しします。
大人用のポカリスエット:離乳食が完了した子どもからOK!
大塚製薬のポカリスエット公式サイトでは、離乳食が完了した子どもであれば飲用できるとされています。
離乳食が完了したお子様でしたら、お飲みいただけます。
飲ませるときは薄めずにそのまま与えてください。ポカリスエットを薄めて飲むと「水分とイオン(電解質)のスムーズな吸収」が損なわれてしまうため、薄めずにそのままお飲みになることをおすすめいたします。
大塚製薬 ポカリスエット公式サイト
離乳食が完了するころといえば1歳6か月くらいが目安となるため、ほとんどの子は1歳6か月を過ぎたころからは大人用のポカリスエットが飲めるようになるでしょう。
ただし、離乳食が完了して大人と変わらない食事ができるようになったとしても、1歳6か月の子どもの体はまだ小さいです。
ポカリスエットは、大人が飲んでも甘くておいしいですよね。
小さい子どもに飲ませるのに、糖分や塩分、カロリーなどは大丈夫かな?
実際、大人用のポカリスエットは糖分や塩分、カロリーは高めで、体が小さい子どもに、大人と同じ量を飲ませてしまうと負担が大きいと言えるでしょう。
【生後3か月からOK】赤ちゃんのために作られたポカリスエットがおすすめ!
発熱時や汗をたくさんかいたときなど、どうしても子どもにポカリスエットを飲ませたい場合は、赤ちゃんのために作られたポカリスエットの利用をおすすめします。
赤ちゃんのために作られた雪印ビーンスタークのポカリスエットは、生後3か月頃の赤ちゃんにも安心して飲ませてあげられます。
赤ちゃん用のポカリスエットは、子どもの月齢や成長の具合などに合わせて利用するのがおすすめです。
大人用と赤ちゃん用のポカリスエットの違いについて
大人用のポカリスエットを薄めても、赤ちゃん用のポカリスエットと同じにはならないのはなぜなのでしょうか?大人用と赤ちゃん用のポカリスエットには、一体どのような違いがあるのか気になりますよね。
ここでは、大人用と赤ちゃん用のポカリスエットの違いについて詳しく解説します。
成分はほぼ一緒⁈大人用と赤ちゃん用のポカリスエットの成分比較
大人用と赤ちゃん用のポカリスエットの成分の違いを比較してみましょう。
成分(100mlあたり) | 大人用 | 子ども用 |
---|---|---|
カロリー | 25キロカロリー | 17キロカロリー |
炭水化物 | 6.2g | 4.2g |
食塩 | 0.12g | 0.12g |
たんぱく質 | 0g | 0g |
脂質 | 0g | 0g |
カリウム | 20mg | 20㎎ |
カルシウム | 2mg | 2mg |
マグネシウム | 0.6mg | 0.6mg |
一見すると大人用と赤ちゃん用の成分の違いは分かりにくく、カロリーや炭水化物の量が異なるだけで、その他は変わりません。しかし、この成分バランスがとても大切で、そもそもポカリスエットは薄めてはいけないのです。
ポカリスエットを薄めてはいけないことをご存じない方も多いのではないでしょうか?
私も甘さが気になり、わざと水で薄めて作ることがありましたが、いけなかったのですね…。
バランスよく配合された成分が重要!違いは浸透圧
ポカリスエットは、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどの電解質がバランス良く配合されていて、水と一緒に体内にスムーズに吸収されるように作られています。
ポカリスエットを水で薄めてしまうと、吸収効率は損なわれてしまうのです。
赤ちゃん用のポカリスエットは、浸透圧が赤ちゃんの体内と同じ285m0smに設定されています。
赤ちゃんの体に負担をかけず、すばやく体内に水分やミネラルなどを吸収させやすいように調整されているのです。
「浸透圧」については、ポカリスエット公式サイトにわかりやすく解説されていたので引用します。
からだの水分のことを「体液」といいます。体液はからだのいたるところにありますが、薄い膜をはさんで、細胞の内と外は同じ圧力でつりあっていなくてはなりません。この圧力を浸透圧といい、つりあっている状態を「等張」(アイソトニック)と呼びます。赤ちゃんの浸透圧は、280〜290mOsmです。
大塚製薬 ポカリスエット公式サイト
大人用のポカリスエットは赤ちゃん用よりも浸透圧が高いため、体が小さな赤ちゃんには負担が大きすぎてしまいます。
吐き気が続いたり、めまいなどのおそれがあるため注意が必要です。
【要注意】大人用のポカリスエットを薄めても子ども用にはならない
急な発熱で、赤ちゃんが水分をなかなかとれず、脱水症状が心配な時などポカリスエットを飲ませてあげたいですよね。
大人用のポカリスエットならストックがあるのだけど…
という場合、大人用のポカリスエットを薄めてあげれば飲ませられるのでは?と考える方もいるでしょう。
特に、水で溶かして作る粉末タイプのポカリスエットであれば、水の量を増やすだけで簡単に薄めのポカリスエットを作れますよね。
たしかに大人用のポカリスエットを水で薄めれば、体の小さな子どもにも飲ませても大丈夫そうな気がしてしまいますよね。
大人用と赤ちゃん用のポカリスエットは成分が異なります。大人用のポカリスエットを薄めても赤ちゃん用のポカリスエットと同じにはなりません。
大人用のポカリスエットを水で薄めてしまうと、水分とイオンの吸収が体内へスムーズにできなくなってしまうため注意が必要です。
子供・赤ちゃんがポカリスエット飲むメリット
体の水分に近い成分で作られたポカリスエットなどのスポーツドリンクは、摂取すると体内にスムーズに吸収されます。
汗をかきやすい暑い季節やスポーツ時、体調不良による脱水症状が心配な時など、積極的に利用したいドリンクです。
ここでは、子どもにポカリスエットを飲ませるメリットについて解説します。
ポカリスエットを子どもが飲むメリット
大人も子どもも、体調不良により下痢や嘔吐を起こした際は、体の水分が急激に減ることで脱水症状を起こしやすいです。特に、体が小さく身体機能が未熟な子どもは脱水症状に陥りやすいと言えるでしょう。
体内の水分バランスや圧が崩れてる時は、できるだけ体液に近い成分で作られたポカリスエットなどで水分を補給してあげるとバランスが整いやすく、症状も落ち着きやすいです。
また、汗をかきやすい暑い季節や運動後の水分補給にもポカリスエットはおすすめです。
子どもは、成人に比べると発汗機能や腎機能が未熟なため、脱水症になりやすいです。
子どもは、暑さによる自覚症状がない場合もあるため、体内への吸収がスムーズなポカリスエットをこまめに摂取することで熱中症予防につながるでしょう。
子供・赤ちゃんがポカリスエット飲むときの注意点
ポカリスエットは、赤ちゃんや子供の体調管理に役立つ飲み物ですが、当然知っておくべき注意点もあります。
これから紹介する2つの注意点は頭の片隅に入れておきましょう。
赤ちゃんにとってポカリスエットは糖分・塩分が多い
大人用のポカリスエットには砂糖や果糖ブドウ糖液糖などが多く使用されています。
スポーツ時の水分補給に最適なドリンクですが、口に残る甘さが気になる方もいるのではないでしょうか?
さらに、食塩も含まれるため体の小さな子どもには糖分と塩分の過剰摂取になってしまう可能性があります。
また、小さな子供が大人用のポカリスエットを日常的に飲用し続けるのも問題です。
濃く甘い味が習慣になってしまうと、普段食べているものや飲み物などが物足りなく感じてしまい、受けつけなくなってしまうおそれがあります。虫歯や肥満などの生活習慣病も心配です。
赤ちゃん用のポカリスエットは、糖分少なめのやさしい味で、カロリーも大人用のポカリスエットよりも低いです。
月齢や成長に合わせて大人用と子ども用のポカリスエットを選択するようにしましょう。
子どもが毎日のようにポカリスエットを飲むのはNG
暑い季節など熱中症が心配な季節にポカリスエットが効果的とはいえ、子どもに毎日のようにポカリスエットを飲ませていいのでしょうか?
ポカリスエットには糖分が含まれています。
一般的なジュース同様、たくさん飲んだり、習慣的に与えない方が良いと言えるでしょう。
お茶や水のようにポカリスエットを飲んでいると、常に口の中に糖分が残ってしまい、虫歯のリスクが高まります。
また、ポカリスエットには塩分も多く含まれているため、飲み過ぎたり毎日飲み続けていると塩分を取りすぎてしまいます。
特に離乳食を完了したばかりの赤ちゃんは、大人よりも薄めの味付けを意識する必要があるでしょう。
ポカリスエット以外の体調不良におすすめの飲み物とは?
子どもが高熱を出してしまった場合など、食べ物だけでなく飲み物さえのどを通らない…なんてことがあるでしょう。
以下では、体調不良の際でも子どもに安心して飲ませられるポカリスエット以外のおすすめの飲み物を3つご紹介します。
体調不良時のおすすめ飲み物その①:経口補水液「OS-1」
飲む点滴とも言われるOS-1は、体内への吸収速度が速く、発熱や脱水などの症状がある際に有効と言われています。
OS-1は、小さい赤ちゃんでも安心して飲ませられる飲み物です。甘味が少ないため、美味しくないという方もいるようですが、苦みはないため子どもでも問題なく飲めるでしょう。
1日あたりの飲用量の目安は下記の通りです。
乳児 | 30〜50mL(体重1kg当たり) |
幼児 | 300〜600mL |
小学生~成人 | 500〜1000mL |
OS-1はスーパーなどでも見かけることはありますが、取扱いがない店舗もあるため、ネットショッピングが便利でしょう。ドリンクタイプの他にゼリータイプもあります。
体調不良時のおすすめ飲み物その②:アクアライト
アクアライトは生後3か月頃の赤ちゃんから飲ませてあげられます。
小さな子どもでも飲みやすいようにりんごやぶどうなどのフレーバー付きタイプとゼリータイプの2種類あります。OS-1よりも甘味がありジュースに近く飲みやすいため、摂取しすぎには要注意です。
生後0ヶ月の赤ちゃんから飲めるタイプ
アクアライトよりも浸透圧が低く、OS-1と同じく生後0か月の赤ちゃんから飲めるアクアライトORSという商品もあります。
電解質や糖分を配合した乳幼児用の経口補水液です。
1日あたりの飲用量の目安は下記の通りです。
乳児 | 100~400mL |
幼児 | 200〜800mL |
実店舗ではあまり見かけない商品なので、ネットショッピングの利用がおすすめです。
体調不良時のおすすめ飲み物その③:りんごジュース
体調が悪い時の子どもは、食べ物や飲み物も受けつけたくないですし、機嫌も悪いのが当然でしょう。
普段から飲み慣れていない経口補水液などは、子どもが嫌がることも少なくありません。
嫌がってなかなか飲んでくれない場合は、無理に飲ませる必要はなく、普通のジュースでも問題ありません。
水分補給してもらうためにも、子どもが好きなジュースを飲ませてあげましょう。
風邪を引いているときなどは、刺激が強い柑橘系よりも、比較的口当たりの良いりんごジュースがおすすめです。ただし、ジュースの飲みすぎは、お腹を壊したり虫歯のリスクを高めたりするため注意しましょう。
まとめ
スーパーやコンビニなどでも手に入りやすく、保存もしやすいポカリスエットは、脱水症状が心配な時など効率的に水分補給ができる便利な飲み物です。
体が小さく発汗機能や腎機能が未熟な赤ちゃんにとって、大人用のポカリスエットは体に負担をかけてしまうおそれがあります。
また、大人用のポカリスエットを薄めても赤ちゃん用のポカリスエットにはなりません。ポカリスエットは成分の配合バランスが重要なのです。
子どもの月齢や成長の具合に合わせて、赤ちゃん用から大人用のポカリスエットへ切り替えて正しい水分補給を心がけるようにしましょう。