魚の加工品である「ちくわ」は調理しなくてもそのまま食べられるため、お弁当のおかずやお酒のおつまみ、子どものおやつなどに便利ですよね。
魚離れが進む現代、お肉に偏りがちな食卓でも手軽に魚が食べられるためぜひ取り入れたい食材の1つです。
赤ちゃんの離乳食にもちくわを使ってみたいと考えるママは多いのではないでしょうか?
しかし、赤ちゃんにちくわを食べさせる際にはいくつか注意したいことがあります。
この記事では、ちくわを離乳食として活用できるのか?いつから食べることができるか?まで含めて解説をします。
ちくわを使ったおすすめの離乳食レシピも紹介するので、ぜひ参考にしてください!
赤ちゃんの離乳食にちくわはOK?いつから食べさせてもいい?
ちくわは、赤ちゃんにいつから食べさせてもいいのでしょうか?
ネット上にも「ちくわは赤ちゃんにいつから食べさせていいのか?」という質問が投稿されていました。
ちくわは離乳食完了期の1歳〜1歳半以降
ちくわは、離乳食としては塩分が多く、食感も弾力があり喉に詰まりやすい食材となります。
そのため、子供に離乳食としてあげるではなく、離乳食完了期の1歳〜1歳6ヶ月以降に食べさせることがおすすめです。
ちくわは手軽に入手でき、魚のすり身から作られていることから、離乳食後期から使用したというママも多いようです。
最初はひと口からスタートし、赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ量を調節していきましょう。
そのまま食べてもおいしいちくわは、塩分が多く素材も複雑です。
赤ちゃんがいろいろな食材を食べ慣れたころから食べさせるのがおすすめです。
ちくわをあげる場合は、喉に詰まらせる危険があるため、「喉に詰まらない程度の大きさに刻む」「すり鉢などで練り物に戻してしからあげる」ように工夫をしましょう。
ちくわの種類と子供に嬉しい栄養素について
安価で身近な食材である「ちくわ」は、そもそもどのような食材なのかご存じですか?
材料は魚のすり身ということは分かっていても、種類や栄養素のことなど詳しくは知らない方も多いでしょう。
ここでは「ちくわ」についてくわしく解説します。
ちくわの種類
ちくわの種類は「生ちくわ」と「焼きちくわ」の2つに分けられます。
「生ちくわ」は中央部分に濃い焼き色がついていて端は白いタイプのちくわで主に生食に用いられます。
一方、巻きつけたすり身をぼたん状の膨らみをつけながら焼き上げて作るのが「焼きちくわ」です。
一般的にコンビニやスーパーで販売されている「ちくわ」は焼きちくわです
ちくわに含まれている栄養素
数多くのメーカーから販売されているちくわは、使われている魚の種類や製造方法もさまざまです。
ちくわに使われる主な魚の種類
- たら(白身魚)
- ぐち(白身魚)
- はも(白身魚)
すり身にする魚は「たら」「ぐち」「はも」などの白身魚がよく使用されています。
一般的な「焼きちくわ」の主な栄養素について
栄養素 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | カルシウム | 鉄 | 食塩相当量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
100gあたり | 121kcal | 12.2g | 2.0g | 13.5g | 15mg | 1.0mg | 2.1g |
子供にちくわを食べさせる最大のメリットは、タンパク質とカルシウムの含有量が非常に豊富であることです。
1歳の赤ちゃんなどは、体の成長が著しく、中には1ヶ月に1cm以上身長が伸びる子もいます。
その成長には、当然筋肉を作るためのタンパク質、そして骨の密度を高めるカルシウムは必須です。
これらを安価でかつ、簡単に摂取することができるため、ちくわは子供のおやつやご飯に優秀な食材と言えるでしょう。
離乳食でちくわを食べさせるときの注意点
脂質が少なく高たんぱくなちくわは離乳食にもぜひ取り入れたいですよね。
しかし、離乳食に使うには少し注意が必要です。
ちくわの塩分濃度は大丈夫かしら?
ちくわって添加物が入っているのかしら?
ちくわってそのまま食べさせても良いのかしら?
大切な我が子に食べさせるからこそ、自分では気にならないことも気をつけていきたいですよね。
実際に、離乳食でちくわを使用する際に気を付けたいポイントがいくつかあるため、確認していきましょう。
- 塩分濃度について
- 添加物について
- アレルギー物質について
- 子供にあげる時の固さ・大きさについて
注意点①:ちくわの塩分濃度
ちくわのみで離乳食完了期の赤ちゃんの1食のタンパク質必要量※を賄おうとすると、少々塩分濃度が高くなってしまう傾向にあります。
ちくわ1本は約30gとされているため、子供がちくわを1本食べると1食当たりのタンパク質を全て摂取することができます。
離乳食完了期の塩分摂取量の目安は、1日3g未満。
そのため、1食当たり上限1gとされています。
ちくわを1食あたり1本食べた場合
栄養素比較表 | ちくわ1本 (30g) | 1歳〜1歳半児 1食当たり摂取量 |
---|---|---|
タンパク質 | 3.66g | 3~4g |
塩分 | 0.63g | 上限1g |
このように、タンパク質の栄養素だけを見ると非常に良い結果となりますが、塩分が1食当たりの摂取量の6割も満たしてしまいます。
ちくわをあげる時のポイント
- 1本丸々あげるのではなく半分など量を調整する
- 肉や魚、大豆製品、卵などさまざまな食材を組み合わせて食べさせる
塩抜きもオススメ
ちくわを離乳食で使用する場合は、熱湯で数分茹でて「塩抜き」をすることもオススメです。
塩抜きしても完全に塩分が抜けるわけではありません。塩抜きしたちくわを調理する際の味付けは薄味を心がけましょう。
ちくわを1本まるごと茹でるよりも、細かくきざんでから茹でる方が、断面積が増えるため効率よく塩抜きができますよ!
注意点②:添加物の有無
スーパーなどで手軽に購入できるちくわは、種類も多くどれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
一見、同じように思えるちくわですがそれぞれ塩分や添加物の量は異なることが多いです。
離乳食で使う場合の選び方
赤ちゃんに安心して食べさせるためには、以下のポイントも押さえて選ぶようにしましょう。
- 無添加または添加物の少ないタイプ
- 塩分控えめの減塩タイプ
注意点③:アレルギー物質について
どんな食材であってもアレルギーの可能性はあります。
ちくわは白身魚のすり身が主な原料であるため、魚アレルギーの可能性があります。
また、卵白を含むちくわも多いため、卵アレルギーの場合は特に注意が必要です。
他にも添加物由来のアレルゲンを含むちくわもあるため、パッケージの食品表示を必ず確認してください。
使用する魚によってアレルゲン物質が異なることがある
魚アレルギーの原因となるアレルゲンは魚の種類によっても異なります。
「ちくわ」とひと言でいってもメーカーによって使用されている魚の種類はさまざまです。
使用されている魚によってアレルギーが発症するおそれがあるため、違う種類やメーカーのちくわを使用する際は都度、食品表示を確認することをおすすめします。
注意点④:子供にあげる時の固さ・大きさについて
まだ歯が生えそろっていない赤ちゃんにとって、歯ごたえのあるちくわは噛み切るのが難しいかもしれません。
おでんや煮物などの煮込み用として売られているちくわは長時間煮込んでもある程度食感が残るように工夫されているものが多く、赤ちゃんには噛み切りにくい可能性があります。
みじん切りのように細かくきざむかフードプロセッサーなどを活用して調理するのがおすすめです。
みじん切りにすることでちくわの旨味をたくさん引き出すことができます。
旨みが増すので調味料が少なくてすみますよ!
管理栄養士よりワンポイントアドバイス
竹輪は一般的に柔らかい食材であり、噛みやすい食感を持ちます。
赤ちゃんの個別の状況やニーズに合わせて適切なタイミングと方法で進めることが大切です。
- アレルギーのリスク
- 食材の噛みやすさ
竹輪は柔らかい食材ですが、赤ちゃんの歯茎や咬筋の発達には個人差があります。
赤ちゃんが食材を噛むことに慣れていない場合は、十分に柔らかく調理してから提供
するとよいかと思います。 - 消化能力
竹輪などの新しい食材を導入する際には、赤ちゃんの消化能力にも注意を払う必要が
あります。
消化に問題はないか観察し必要に応じて微調整するとよいかと思います。 - 栄養バランス
離乳食は赤ちゃんの成長と発達に必要な栄養を提供することが重要です。
竹輪が一部の食材として使用しても栄養バランスを考慮し、多様な食材を摂取すると
よいかと思います。
赤ちゃんがちくわを食べてくれないときの対処法
安価で手軽に入手でき、低脂質で高たんぱくなちくわは離乳食にぜひ活用したい食材ですよね!
しかし、赤ちゃんがちくわを使った離乳食を食べてくれない…なんてこともあります。
ここでは、赤ちゃんがちくわを使った離乳食を食べてくれないときの対処法をご紹介します。
ポイント①:味つけを工夫する
塩分過多にならないように塩抜きしたちくわを使用している場合、赤ちゃんが嫌がって食べないこともあるようです。
味がしないことで食べないようであれば、以下の調味料を加えて調整するのもオススメです。
- 出汁
- しょう油
- 砂糖
出汁などであれば、塩分濃度をグッと抑えることができますよ
このように調味料を少し加えて、塩分のバランスを考えながら味つけを工夫してみるのもおすすめです。
ポイント②:大きさを変える
歯ごたえのあるちくわは弾力があるために赤ちゃんが食べにくい場合も考えられます。
しっかりとそしゃくできるようになるまでは、みじん切りにして様子を見ましょう。
フードプロセッサーを活用して豆腐など他の食材と混ぜ合わせて調理するのもおすすめです。
スティック状にカットしたちくわは、手づかみ食べの練習にも最適です!
赤ちゃんの様子を見ながら大きさや形を工夫してあげましょう。
ちくわを使ったカンタン離乳食おすすめレシピ3選
ちくわを離乳食に取り入れたいけど「レシピが思いつかない!」という方もいるのではないでしょうか?
そのままでもおいしいちくわは、調理することで料理の幅も広がります。
ここでは、ちくわを使ったおすすめの離乳食レシピをご紹介します。
どれもとっても簡単なのでぜひ作ってみてくださいね。
大人でもおいしくいただけるレシピなので、きっと赤ちゃんも喜んで食べてくれますよ!
オススメレシピ①:ちくわと豆腐のふわふわ焼き
ちくわと豆腐のふわふわ焼きは離乳食としてはもちろん、お弁当やお酒のおつまみにもぴったりです。
生地がとても柔らかく扱いにくいため、じっくり焼き色がつくまでは触らないようにしましょう。
- 材料(6枚分)
-
- ちくわ 1/2本
- 青のり 小さじ1
- 豆腐 90g
- 小麦粉 大さじ1.5から〜2
- 油 少々
- 作り方
-
- ちくわはみじん切りにし豆腐、青のり、小麦粉と合わせ混ぜる
- フライパンに油を熱しスプーンで、①をすくい、弱火でじっくり焼く
- ひっくり返したら又焼き色がつくまでじっくり焼いたら完成
参考:cookpad
ママやパパが食べる場合は、しょう油や酢しょう油などお好み調味料につけるのがおすすめですよ。
オススメレシピ②:ちくわのお好み焼き
お好み焼きは手づかみ食べにもぴったりですよね!
いつものお好み焼きにちくわをプラスすることで旨みが増し、おいしさもアップします。
- 材料
-
- きゃべつ 3枚
- ちくわ 3本
- たまご 2つ
- 小麦粉 大さじ4~5
- (お好みで)青のり ふたつまみ
- (お好みで)かつお粉 ふたつまみ
- サラダ油 少々
- 水 大さじ2
- 作り方
-
- きゃべつを1センチ角にきざむ
- ちくわは茹でて塩抜きし、離乳食の進み具合に合わせて5ミリ~1センチ角にきざむ
- 1.と2.、たまご、小麦粉、お好みで青のり、かつお粉を混ぜる
- フライパンに薄くサラダ油をひきスプーンなどで生地を入れ、弱火~中火で焼く
- 焼き色がついたら裏返し、フライパンのへりから水を入れる
- 蓋をして弱火で2分ほど蒸し焼きにしたら完成
参考サイト:cookpad
一度にたくさん焼いて冷凍保存も可能です!お好み焼きは、普段の離乳食はもちろん、おやつとしてもおすすめですよ。
小さめに作って小分けで冷凍保存しておけば、ちょっと食べさせたいときに重宝します。
オススメレシピ③:カンタン!生ひじきカボチャちくわの混ぜるだけサラダ
赤ちゃんが大好きなカボチャに栄養満点な生ひじきとちくわを加えてサラダにしませんか?
材料を準備してマヨネーズで和えるだけの簡単レシピです。
彩りもよくおしゃれなかぼちゃサラダは、お弁当にもおすすめです!
- 材料
-
- かぼちゃ(冷凍でも可) 2切
- ちくわ 2本
- 生ひじき(乾燥でも可) お好みの量(今回は大さじ2~3位)
- マヨネーズ お好みの量(今回は大さじ2~3位)
- 白ゴマ 適量
- 作り方
-
- 生ひじきを軽く洗って水切りしておく
- 冷凍かぼちゃを耐熱容器で加熱する
- ちくわを好きな大きさに切る
- かぼちゃの入った耐熱容器に、生ひじきとちくわを入れマヨネーズを加えて混ぜ合わせたら完成
参考サイト:cookpad
かぼちゃの皮はそのまま使用することで栄養価が高く、彩りもよく仕上がります。
赤ちゃんの様子に合わせて皮を取り除いてあげましょう。
まとめ
低脂肪で高たんぱくなちくわは、手軽に魚を食べられ離乳食にも便利な食材です。
一方で、離乳食に使用する際は、塩分や添加物、アレルギー、噛み切りにくさなど注意点があります。
赤ちゃんの様子を見ながら少しずつ量を増やしていきましょう。
最近は、無添加物や添加物が少なめのタイプ、減塩タイプなどさまざまなちくわが販売されています。
赤ちゃんに安心して食べさせるためにも、ちくわを購入する際は食品表示をしっかり確認してください。
また、ちくわは細かくきざむことで旨みをたくさん引き出せます。
そのまま食べてもおいしいちくわですが、調理することで料理の幅も広がります。
ママやパパもおいしく食べられるちくわを使った離乳食レシピをぜひ作ってみてください。
ちくわを工夫して離乳食に取り入れ、楽しい離乳食の時間をすごしてくださいね。