共働き夫婦の場合、生活費は毎月いくらぐらいかかるものなのでしょうか?
また、世間一般ではどのように管理し、夫婦でそれぞれいくらずつ生活費を負担しているのでしょうか?

夫の方が給料高いのに、生活費の負担額がそんなに変わらないのは
おかしい気がする・・・。



給与あまり変わらないのに、
なぜが俺の生活費の負担額多いんだよなぁ・・・。



生活費って給与に関わらず、折半にするのが普通なの?
このように、生活費の負担額に対して不満を持っている家庭は少なくありません。
本記事では、共働き家庭がいくらずつ生活費を負担し合うべきか目安をお伝えすると共に、納得する生活費の管理方法を解説いたします。
本記事は、税理士の先生(税理士法人Bridge様)に監修をいただいております。
共働き家庭の生活費の負担額で悩む・不公平感を感じる人は多い


ネット上では、共働き夫婦から「生活費をどのような方法で分担すればいいのかわからない!」「夫婦でいくらづつ生活費を負担するべきか?」などの質問が寄せられています。
また、上手く家計管理ができずに、夫婦喧嘩まで発展してしまうケースも多いようです。
夫婦共働きで、結婚後は、お互い一定額を出し合って共同財布を作る予定です。
家賃、公共料金、食費、日用品(話し合いで必要だと了解したもの) について、共同の会計から出すつもりです。
今は未だ考え始めたばかりですが、 夫婦共働きの会計について、1.皆さんのところはどのようなシステムにしていますか(共同会計に限らず)。
2.共同会計を行ってる場合、月幾らずつ出し合って、生活費に幾ら、貯金はどの程度でしょうか。
3.それから共同会計から拠出する範囲(家賃、食費、などなど) を教えて下さい!
それに共同会計よりももっといい方法があれば教えて欲しいです。
ちなみに、僕の月収は約22万円、彼女は27万円(彼女はキャリアが長いので高給取り)で、これとは別に僕の会社からは月5万円の家賃補助が出ます。家賃(駐車場込み)は7万円、その点は恵まれていると思うのですが、生活は質素にをモットーにしていくつもりです(貧乏生活って意味より、節約を楽しむって意味)。
OKWEB
私(妻) 25歳 年収450万 貯金800万
夫 28歳 年収650万 貯金不明
生活費は折半しています。私は自分の両親が共働きで別財布だったため、夫とも別財布での管理を希望していました。当初は夫も賛成してくれていたのですが、「子供ができたら共通財布の方が便利では?」と提案されました。(時短勤務等で私の年収が減り、家計の負担を折半から年収に応じた割合に変更する予定のため。)
そこで、どちらが我が家の家計管理方法として適切なのが情報を集めたく、トピをたてました。ちなみに、家賃・光熱費・生活費(食費)で月15万前後です。(田舎なので少なめです。)
別財布で良かったこと、不便だったこと、
発言小町
共通財布で良かったこと、不便だったことがあれば教えてください。
このように、生活費の管理はそれぞれの家庭によって異なります。
家庭ごとに年収も異なります。生活費も異なります。
夫婦がお互いに納得した形でお金を管理していかないと、パートナーの心にシコリが残ってしまいます。


共働き夫婦の生活費の実態はどのぐらい?


共働き夫婦が生活するのにかかるお金は、毎月どのくらい必要なのでしょうか?
お互いの収入の全てを生活費にまわすとは限りませんし、どのように管理しているのか気になる人も多いでしょう。
一般的な共働き夫婦の生活費とはどのようなものなのか、具体的なデータをもとに見てみましょう。
共働き世帯の生活費の平均値は?
2021年度の厚生労働省家計調査報告によると、共働き世帯の生活費平均は309,496円とされています。
なお、このデータは全ての年代を対象としており、子供がいる世帯といない世帯のどちらも含まれています。
共働き世帯の平均生活費の内訳は、以下の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
食費 | 78,576円 |
住居費 | 19,848円 |
光熱・水道 | 21,448円 |
家具・家事用品 | 12,720円 |
被服及び履物 | 10,463円 |
保健医療 | 13,130円 |
交通・通信 | 49,512円 |
教育 | 19,197円 |
教育娯楽 | 27,452円 |
その他の消費支出 | 57,124円 |
合計金額 | 309,496円 |
共働き世帯といっても、夫婦ふたり世帯なのか子育て世帯なのか、持ち家か賃貸かなどさまざまです。
各家庭の事情は異なるため一概には言えませんが、データを見ると大まかな生活費の内訳がわかります。
支出のうち、最も多く使われているのが「食費」です。
次に多い支出は「その他の消費支出」を除くと「交通・通信費」になります。「住居費」が少なく見えるのは、持ち家の住宅ローンやリフォームローンなどが含まれていないためです。


共働きにおいて生活費の負担額は折半?それぞれの負担額について


厚生労働省家計調査報告のデータを参考にした場合、共働き夫婦が生活費として入れる金額は以下の通りとなります。
生活費の平均値より算出 | 毎月の負担額 |
---|---|
一人当たりの負担額 | 月々14〜16万円 |
このように、もし仮に2人が同額ずつ入れるとすると1人あたり月14〜16万円程度になります。
夫婦の収入の差は考慮すべき?
以上のように、生活費を折半とした場合、夫婦の年収の差によって不公平感が生まれやすくなります。
ほとんどの共働き夫婦は夫と妻で収入に差があるかと思います。
このように、生活費の負担を同額に折半としてしまうと、収入が少ない方が不公平に感じてしまいます。
結果として、夫婦喧嘩の原因となることも少なくありません。
収入に差がある夫婦の場合、収入の比率に応じて生活費を負担するのもひとつの方法です。
年収の比率に応じて生活費の負担額を変える場合の一例
- 毎月の収入が夫30万円程度、妻20万円程度の場合
-
- 収入比率 夫:妻=3:2
- 生活費の負担比率 夫:妻=3:2
- 生活費の負担額 夫:妻=18万円:12万円
この方法の場合、共働き夫婦が生活費として入れる金額は、夫が月18万円程度、妻が12万円程度になります。
収入比率に応じて生活費を負担する方法であれば、収入が少ない方の不満が軽減されます。
しかし、夫婦それぞれのおこづかいの額はどうするのかなど、さまざまな問題も出てくるでしょう。
実際の負担額は夫婦間でしっかりと話し合う必要があり、お互いが納得した上で決めることが大切です。


共働き夫婦の生活費分担方法3選!それぞれのメリット・デメリット


共働き夫婦の生活費分担方法は大きく分けて3つの方法があります。
ここからは、それぞれの分担方法について詳しく解説します。
メリットとデメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
生活費の管理方法①:夫婦共通の生活費専用口座を作る
夫婦共通の「生活費専用口座」を作り、夫婦それぞれが毎月一定額を入金し、家計をやりくりする分担方法です。
「生活費専用口座」に入金したお金以外の収入は、各自自由に使えます。
【メリット】
- 支出内容が分かりやすいため、生活費の管理がしやすい
- 夫婦がお互いに不公平だと感じにくい
- 自分の収入をある程度自由に使えるため、ストレスを感じにくい
【デメリット】
- 生活費以外の収入は各自自由に使えるため、貯金が貯まりにくい
- 夫婦間のお金に関する価値観が大きく違う世帯は向いていない
- 生活費専用口座へ振り込みする手間がかかる
自分で稼いだ収入は、ある程度自由に使いたいという考えの夫婦には適しています。
しかし、夫婦間でお互いの支出や貯蓄額が把握できない可能性があるため、将来への備えの面では不安があるでしょう。
生活費の管理方法②:支出項目ごとに担当を分けて生活費を管理する
夫婦間で、家賃や光熱費、食費などの支出費目ごとに担当を決めて分担する方法です。
収入から分担費用を支払った残りの金額は各自自由に使えるので、自分の担当項目は自然に節約しようと意識が高まるでしょう。ただし、担当項目は夫婦間でしっかりと話し合い、納得の上で決めておかないと、不公平感が出てしまいます。
あとから揉める可能性があるため注意が必要です。
【メリット】
- 各自担当する項目の節約意識が高まるので、支出が抑えやすくなる
- 担当項目以外の収入は各自が自由に使える
- 生活費専用口座への振り込みの手間がかからない
【デメリット】
- 支払いが各自になるので、家計全体の支出が管理しにくい
- それぞれが負担する金額を考慮してお互いが納得していないと、不公平感が出てしまう可能性がある
- 担当項目以外の収入は各自自由に使えるため、貯金が貯まりにくい
- 夫婦どちらも浪費家の世帯は向いていない
生活費の口座が2つに分かれてしまうため、家計管理が複雑でわかりにくいと感じる人もいるでしょう。
また、「共通口座制」と同じく、自分で稼いだ収入は、ある程度自由に使えますが、夫婦間でお互いの支出や貯蓄額が把握できない可能性があるため、将来への備えの面では不安があるでしょう。
生活費の管理方法③:おこづかい制で行い、どちらか一方が管理する
夫婦どちらかの収入で家計をやりくりし、もう一方の収入は基本的にすべて貯蓄にまわす方法です。
マイホームの購入資金や子供の教育費などを計画的に貯蓄するには一番確実な分担方法といえます。
また、お金の管理を夫婦のどちらか一方が担当するため、家計管理がスムーズに行えるでしょう。
しかし、夫婦のどちらかが家計を管理するということは、もう一方は、おこづかい制となり不公平感が生じる場合があります。
【メリット】
- 片方の収入が全て貯蓄されるため、計画的に貯蓄ができ将来計画が立てやすい
- 支出が把握しやすく生活費の管理がしやすい
- きっちり貯金しつつ、家計管理が得意な方に管理を任せたい世帯に向いている
【デメリット】
- 家計のやりくりを1人で管理することも多いため、家計管理が夫婦間で不透明になりがち
- 基本的におこづかい制になるため、自由に使えるお金は少ない傾向にある
- おこづかいの金額で揉める可能性がある
貯蓄が苦手な夫婦や、自分の収入は自分で管理したいと考えている夫婦には向かない分担方法といえるでしょう。
夫婦で揉めないための家計管理のポイント5選


夫婦喧嘩の原因として、コミュニケーション不足や家事や育児の分担への不満などがよくあげられますが、「お金」が原因で喧嘩になることも多いものです。
夫婦どちらかに不満がある状態で家計をやりくりしていると、喧嘩に発展してしまう可能性があります。
ここからは、お金が原因で夫婦喧嘩に発展しないために、気をつけたいポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
家計管理のポイントその①:夫婦間で家計の情報を共有しておく
毎月月末には家計の収支について夫婦で話し合ったり、半年に1回は貯蓄計画を見直したりなど、家計に関する情報を夫婦間で定期的に共有することをおすすめします。
夫婦のどちらか一方が家計管理を担当する場合でも、貯蓄額や毎月の生活費はお互いに把握しておくことが大切です。
情報を共有することで、夫婦ともに家計管理の意識を高められます。
「パートナーに任せているから自分は知らなくても大丈夫」という姿勢では、夫婦喧嘩になりかねません。
また、パートナーに家計を任せきりにしていると、パートナーが急に入院してしまった場合など、何もわからず大変な思いをすることになります。
最近は、便利な家計簿アプリも数多くあります。
夫婦で共有して家計管理に活用するのもおすすめです。
家計管理のポイントその②:おこづかいのルールはしっかり話し合って決める
お金の管理を夫婦のどちらか一方が行う場合、おこづかいのルールは夫婦間でしっかりと話し合っておきましょう。
実際に生活していると「これはどっちの負担?」となることは数多く出てきます。
具体的な例
- 洋服代
- 化粧品代
- スポーツジム代
このような出費など、「おこづかい」からなのか「生活費」からなのか、夫婦でしっかり話し合って決めておきましょう。
また、おこづかいからでは捻出できない高価なものが欲しいときはどうするのかも、事前に決めておくことをおすすめします。
面倒に思うかもしれませんが、その都度パートナーと話し合ってお互いに納得できるルールを作っておくことは大切です。
家計管理のポイントその③:お互いのお金の使い方に干渉しすぎない
たとえ夫婦であっても、お金の価値観は同じとは限りません。
むしろ価値観が違う夫婦の方が多いのではないでしょうか?
大まかなルールを決めることは必要ですが、それぞれが自由に使える部分を残しておくことも大切です。
個人で自由に使えるお金に関しては、お互いに立ち入りすぎないことが夫婦喧嘩に発展させないポイントです。
特に個人的な趣味のアイテムなどは、理解できない部分もあるでしょう。
しかし、家計のやりくりに影響が出ない範囲であれば、相手の価値観を許容し、干渉しすぎないようにすることが大切です。
家計管理のポイントその④:夫婦で同じ夢や目標を持つ
夫婦でお金に対する価値観が違っていても、夫婦共通の目標があれば自然に貯蓄や節約への意識が高まり、家計管理もうまく行えるでしょう。
目的もなく「お金を貯めること」だけを目標にしてしまうと、モチベーションが上がりにくく継続するのは難しいものです。
夫婦で持つ夢について



将来はマイホームを建てたいわ



定年退職したら地方でゆっくりしたいなぁ
将来はどのように生活していきたいのか夫婦でじっくりと話し合いましょう。
夫婦でなければかなえられないこと、夫婦だからこそできることを目標に定めることで、夫婦円満に家計管理が行えるでしょう。
家計管理のポイントその⑤:緊急時のために備えておく
人生は何が起こるか分からないものです。
家計管理においても、いざという時に慌てないようにしっかりと備えておくことが大切です。
日々の生活でも、突然、お風呂やトイレが壊れてしまったり、冷蔵庫が動かなくなったりなど、急に大きなお金が必要になる場合があります。
また、夫婦のどちらかが病気で入院したり、ケガをしたりする可能性もゼロではありません。
さらに、台風や地震などの自然災害の被害にあう可能性もあるでしょう。
このような緊急時に慌てないためにも、家計や貯蓄の他に予備費を確保しておくことをおすすめします。
予備費があることで、万が一の時に生活費から捻出したり、定期預金を解約したりする必要がありません。
何が起こるかわからないことを頭の隅に置いておき、いざというときのために備えておくと安心です。
まとめ
本記事では、共働き家庭の生活費の平均や、夫と妻の負担額はいくらずつが平等になるかについて解説いたしました。
お金に関することは、たとえ夫婦であっても話しにくいと感じている人も多いようです。
しかし、できる限り夫婦間で情報を共有し、お互いが当事者意識を持つようにすると、スムーズに家計管理が行えるようになります。
管理方法をしっかりと決めていなかったり、金銭的な責任をどちらか一方に押しつけたりするのは夫婦喧嘩の原因にもなります。生活費の分担方法は夫婦によって正解は異なります。
夫婦でしっかり話し合い、お互いが納得した方法で家計管理を行っていきましょう!
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